1月29日 日本の民話☆イタチの仇討ち☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、ある村の観音さまの境内に、えのきの大木がありました。
 この大木の幹には穴が開いており、その中に一匹のイタチがすんでいます。
 このイタチは、時々穴から顔を出しては、参詣(さんけい)にくる人たちを、じいっと見ているので、村人たちは誰一人、イタチの事を知らない人はいません。
 ある、夏の初めの事。
 どうしたのか、この頃はイタチが、いっこうに姿を見せません。
 みんなが不思議に思っていると、何十匹という大勢のイタチが、えのきの大木に集まってきました。
 イタチたちは、穴の周りをとりまいて、出たり入ったり、出たり入ったりしています。
 それがしばらくすると、急に姿を消してしまいました。
 すると、どうでしょう。
 穴の中から、傷ついた大蛇が出てきたのです。
 大蛇はしばらくもがいていましたが、やがて力尽きて死んでしまいました。
「ほう。こりゃまあ。珍しい事があるもんじゃ」
 そのうわさを聞いて、大勢の村人たちが集まってきました。
「それにしても、いつものイタチは、どこへいったんじゃろう?」
「待てよ。もしかしたら」
と、一人の男が、穴の中へ手を入れてみると。
「あっ。おった、おった」
 男が穴から掴み出したそのイタチは、もう死んでいました。
「いつもここに顔を出しとった、あのイタチじゃないのか?」
「たしかに、そうじゃ」
「うむ、かわいそうに。この大蛇に、やられたらしいな」
「ははーん、それでわかった。仲間のイタチが集まってきて、大勢で大蛇をやっつけてしもうたんじゃな」
「うん、それにちがいないわ」
「イタチどもも、たいしたもんじゃ」
「仲間を思う気持ちは、人もイタチも同じじゃ」
 村人たちは、イタチたちの仲間思いを褒めてやると、そのイタチのお墓を作ってやりました。

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