1月26日 沖縄県の民話☆人が家を作るわけ☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、神さまが作ったばかりの人間は、動物と同じように全身毛だらけで、互いに戦って勝った者が負けた者を食べるという、野蛮な生活をしていました。

「せっかく人間を作ったのに、これでは動物と変わらないではないか。いや、動物は仲間を殺して食べたりはしない。人間は動物以下の生き物だ。仕方ない、滅ぼすか」

 がっかりした神さまは、野蛮な人間をこの世から滅ぼそうと考えました。

 しかし、野蛮な人間の中にも心優しい兄弟がいたので、その妹と兄だけは助けてやろうと思いました。

 神さまは、二人の兄弟に、

「わたしはこれから、油雨というものを降らせる。この雨は毒の雨で、油雨にあたった者は、誰でもすぐに死んでしまうだろう。けれどお前たちは、この鍋の下にいなさい。雨が降っている間、決して外に出なければ、死ぬ事はないだろう」

と、二人の兄弟を大きな鍋の下に隠しました。

 それから地上に、何日も何日も油雨が降りました。

 そしてこの雨にふれた人間たちは、ばたばたと死んでいきました。

 運良く雨をさけて暮らしていた人たちも、神さまが起こした悪い病気のせいで、次々と死んでいきました。

 そうして地上から野蛮な人間がいなくなると、長く続いた雨がやんだのです。

 雨の音が聞こえなくなると、兄弟は鍋の中から出てきて、誰もいなくなった地上で暮らし始めました。

 やがて兄弟は大人になり、結婚するときれいな真水がわく海辺で暮らしました。

 最初に生まれた赤ん坊は、全身がうろこにおおわれた魚でした。

 びっくりした二人は、その魚を海に投げ捨てました。

 こうして魚が、誕生したのです。

 それから二人は、山で暮らしました。

 次に生まれた赤ん坊は、体が長細いヘビでした。

 びっくりした二人は、そのヘビを山に投げ捨てました。

 こうしてヘビが、誕生したのです。

 でも、どうしてこんな化け物ばかり生まれてしまうのかと、二人は泣きながら神さまにお祈りしました。

 すると神さまが現れて、二人に言いました。

「お前たちは、海辺でも山でも、家を作らずに暮らしている。それでは動物と同じだ。動物と同じ様な暮らしでは、動物のような子どもが生れても仕方がない。知恵のある人間なら、ちゃんとした家を作りなさい。そうすれば、その家にふさわしい子どもが生れるだろう」

 そこで二人は、外敵や風を防ぐ壁も、雨を防ぐ屋根も、出入りできる戸もある、立派な家を作ったのです。

 すると、その家にふさわしい赤ん坊が生れました。

 その赤ん坊は、今の人間の様に体の毛が少なく、とても美しい姿をしていました。

 それから二人はたくさんの子どもを産み、そしてその子どもがまた子どもを産んで、世界中に人間が増えていったのです。

おしまい



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