1月23日 日本の民話☆カキの精☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、ある山里の古いお寺に、和尚さんと小僧が住んでいました。
 このお寺には、とても甘い実をつける古いカキの木があり、毎年たくさんの実をつけるのですが、和尚さんが全部一人で食べてしまい、小僧には一つもくれません。
 小僧は、いつも指をくわえて、
「ああ、いっぺんでいいから、食べてみてえなあ」
と、思っていました。
 さて、今年のカキも、すっかり赤くなった秋のある晩の事。
 小僧が、ぐっすりねむっていると、
「おい、小僧、起きろ!」
と、まくらもとで、太い声がしました。
「何だい、人が寝ているのに・・・。ひぇー!」
 目をこすりながら起きた小僧の前には、何と、まっ赤な顔の大入道が立っていたのです。
「わあ、わあ、お助けください。ナンマンダブ、ナンマンダブ」
 小僧が手をあわせると、
「小僧、おぜんを持って来い!」
と、大入道がどなりました。
 そこで小僧が自分のおぜんを持ってくると、大入道はおぜんの上で、くるりと尻まくりしたかと思うと、ブリブリッと、赤いうんちを出したのです。
「小僧、なめてみろー」
「ええーっ!」
 小僧はびっくりしましたが、殺されるよりはましだと思って、仕方なく指の先に、それをちょっとつけてなめてみました。
「・・・うん。おいしい!」
 これが、舌もとろけそうなほどおいしいのです。
 小僧は恐ろしいのも忘れて、赤いうんちを全部なめてしまいました。
「もっと、なめさせてくれ」
 小僧は、大入道にねだりましたが、
「さっきので全部だ。そうは出せねえ」
と、大入道は庭の方へ出て行って、それっきり現れませんでした。
「あーあ、うまかった。あんな化け物なら、毎晩でも出てもらいてえなあ」
 次の朝、小僧が夜中の出来事を話すと、和尚さんはこう言いました。
「それは、庭のカキの木の精にちがいない。いつもわしばかりカキの実を食べてしまうので、カキの精がお前の事を気の毒に思って、最後に残った実をくれたのだろう。すまんかったな。来年からは、お前にもわけてやろうな」
 こうして小僧は、来年からカキを食べる事が出来たそうです。

おしまい

秋の味覚盛り合わせキャンドル
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