1月20日 日本の民話☆狩人(かりゅうど)と海の魔物☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、海辺の近くに、一人の狩人が住んでいました。
 狩人は一匹の山犬を飼っていて、山へ獲物を取りに行くときは、いつもこの犬を連れて行きました。
 ある晩の事、山から戻った狩人が海辺でたき火をして休んでいると、犬が急に吠えだして、たき火のまわりを駆け出したのです。
「おい、どうした? おとなしくしろ」
 狩人がいくらなだめても、犬は言うことを聞きません。
 狩人が不思議に思っていると、犬はいきなり海へ飛び込んで、すぐにたき火のそばへ戻ってきました。
 そして濡れた体をブルブルと振って、体についた水を飛ばして火を消そうとするのです。
「こら! やめろ、やめるんだ!」
 狩人は犬をしかりましたが、それでも犬はやめようとせず、同じ事を何度も繰り返して、とうとうたき火を消してしまいました。
 そして犬は、ゆっくりふりかえると、今度は狩人をにらんでうなりはじめます。
「うぅーーーーっ!」
 この犬が、こんなに怖い顔をするのは初めてです。
「まさか、おれを殺そうというんじゃないだろうな」
 狩人は、あわてて鉄砲をかまえました。
 そのとたん、犬が飛びかかってきました。
 ズドーン!
 狩人の鉄砲が火を吹いて、
「キャイーン!」
と、犬はするどい鳴き声とともに、倒れました。
 すると今まで静かだった海が大きくゆれ、波の中からまっ黒な大男が現れたのです。
 大男は狩人を見て、にやりと笑いました。
「お前、犬を殺したな」
「おれの犬をおれが殺しても、文句はあるまい!」
 狩人が言いかえすと、
「いや、犬を殺してくれて助かった。それより、その鉄砲でわしを撃ってみろ」
と、大男は両手を広げて、波をけりながら近づいてきます。
(これは、海の魔物にちがいない)
 狩人は大男の胸を狙って、鉄砲の玉を撃ち込みました。
 ズドーン!
 ところが大男は、その玉をひょいと手でつかんでしまいました。
「なんだと!」
 狩人はあわてて、
 ズドーン!
 ズドーン!
 ズドーン!
と、ありったけの玉を撃ち込みましたが、大男はにやにや笑いながら、鉄砲の玉をつかみとります。
 そしてついに、鉄砲の玉がなくなってしまいました。
「どうやら、玉もお終いのようだな」
 狩人は恐ろしさのあまり、ガタガタとふるえました。
(だめだ、鉄砲が効かねえ。でもここで弱気になったら、おしまいだぞ)
 狩人は、肌身はなさず持っているお守りの中から、こっそりと隠し玉を取り出すと、大男に見えないように鉄砲に込めました。
「あははははっ。ついにあきらめたか」
 大男はゆっくりと進んできて、狩人を捕まえようとします。
(神さま、お願いです!)
 狩人は心の中で手をあわせると、大男の胸をめがけて最後の一発を撃ち込みました。
 ズドーーン!
 祈りを込めた玉は、みごとに魔物の胸に命中しました。
「ウギャーー!」
 さすがの大男もたまらず、ものすごいさけび声をあげながら海の中へ倒れました。
「くそっ。おれとしたことが・・・」
 大男はくやしそうに言うと、そのまま海の底に沈んでいきました。
「やれやれ、助かった」
 狩人はほっとして家へ帰り、さっそく家の人にこの出来事をくわしく話してきかせました。
 そして狩人は話しおわったとたんに気分が悪くなり、そのまま死んでしまったということです。

おしまい
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