1月16日 大分県の民話☆ねんねん石☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、杵築(きつき)の臥牛城(がぎゅうじょう)に、松平英親(まつだいらひでちか)という名の殿さまがいました。
 この殿さまは何年かおきに、足曳山(あしびきさん)の両子寺(ふたごでら)にお参りするのをならわしにしていました。
 その頃になると、行列の通る村は掃除をしたりして、それは大変な騒ぎです。
 さて、その当日の事。
「さがれ、さがれ」
と、殿さまの行列の先払いの声が聞こえると、村人たちはみんな額を地面にすりつけておじぎをしました。
 そのうちに行列はだんだん近づいてきて、村人たちのすぐそばまでやって来ました。
と、その時、
「おっかあー」
と、一人の幼い子どもが道に飛び出して来たのです。
 ちょうど道の向こう側で、おじぎをしている母親の姿を見つけたのです。
 それに気づいた母親が、顔を上げて子どもの方に目をやったとたん、
「無礼者めっ!」
と、先払いの侍が、あっという間にその場で子どもを斬り殺してしまったのです。
 やがて行列が通りすぎると、母親は狂ったように子どもを抱きかかえて泣きくずれました。
 可哀想に目の前で子どもを殺された母親は、その日から毎日泣き暮らして、とうとう泣きながら死んでしまったのです。
 そしてそれからというもの、夜になると決まって、蜷尻(になじり)の川ぞいの岩かげから、子どもの泣き声が聞こえるようになったのです。
 そしてその泣き声にまじって、
♪ねんねん、ねんねこやあ
と、母親のあやす声までが、悲しげに聞こえるのです。
 村人たちはその声がする岩を、『蜷尻(になじり)のねんねん石』と呼ぶようになりました。
 今でもこの石は、朝来川(あさくがわ)のそばの蜷尻(になじり)に残っているそうです。

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