10月29日 山口県の民話☆ホラふき和尚☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、山口のあるお寺に、村の人たちから『ホラふき和尚』といわれているお坊さんがいました。
 あんまりホラばかりふいているので、村の人たちは和尚さんのいうことを、まったく信用しません。
 ある日の事、和尚さんは村人たちをおどろかせてやろうと思い、お寺の門前にある大きな池のほとりに、こっそりと、こんな立て札をたてました。
《明日のお昼、この池から竜が天にのぼるであろう。池の主の竜より》
 さあ、この立て札を見た村の人たちはびっくりです。
 むかしからこの池には竜が住んでいると言われているので、次の日の朝には、池のまわりは黒山の人だかりです。
 その人だかりを見て、和尚さんはうれしそうに笑いました。
「あっはははは。村の者たちめ、まんまとひっかかったわい。さて、お昼になったらわしが出ていって、わしの仕業だと話してやろう。みんなのあきれた顔が見ものじゃわい」
 さて、やがて、お昼が近づいてきました。
「よし、そろそろ行くとするか」
 和尚さんが出かけようとすると、空がにわかにくもって、暗くなってきました。
 そして目の前の池の水から、なんと本物の竜が姿を現して、銀色のうろこを光らせながら、黒い雲の中へ消えていったのです。
 村人たちは驚きましたが、もっと驚いたのは、いたずらをした和尚さんです。
「なっ、なんと! まさか本当に竜がいるとは・・・」
 しばらく呆然としていた和尚さんですが、すぐに村人たちの前に駆け出すと大声で言いました。
「おーい、よく聞け! あの立て札はな、実はわしが立てたんじゃ。わしが立てたおかげで、竜が現れたんじゃ!」
 けれども、村人たちは、
「ほれ、またいつもの和尚のホラが始まった。竜が現れたのを自分の手柄にしよるぞ」
「ほんとに、しようのない和尚じゃ」
と、だれ一人、信じなかったという事です。

おしまい
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