10月25日 長崎県の民話☆福済寺(ふくさいじ)の地蔵尊(じぞうそん)☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、長崎の町に、とてもひどい流行病が広まりました。
 それにかかると高熱が何日も続いて、体中に紫の斑点が出来、そして苦しみながら死んでいくのです。
 おそろしい事に、この病は病人から家族へ、家族から近所の人へ、近所の人から町中へと、どんどん広がっていくのです。
 そんなわけで、毎日あちこちの家で葬式がありました。
 ある晩の事、町に住む太一(たいち)という男が、不思議な夢を見ました。
 一体のお地蔵さまが、太一の枕元に立ち、
「わしは浦上川(うらがみがわ)に捨てられておる石地蔵じゃ。今まで長い間、誰もわしを拾ってくれる者はおらんかった。もしお前がわしを拾ってくれて、まつってくれるなら、町の病をなくしてやろう」
と、言ったのです。
 次の日、太一は不思議に思いながらも浦上川へ行ってみました。
「本当に、あるのかな?」
 川に入ってあたりを探してみると、岸近くの草むらの中に、夢枕に立った石のお地蔵さまが捨てられているではありませんか。
「これだ!」
 太一は、さっそくお地蔵さまを家に持って帰ると、ていねいにおまつりしました。
 するとそれからというもの、日ごとに町の流行病は消えていったのです。
 町の人々も太一も、ひと安心しました。
 しかしそうなってくると、太一も次第に、お地蔵さまのおまつりをしなくなってきたのです。
 するとまた、病気になる人が出てきました。
「これは、きちんとしたお寺にまつった方がいいだろう」
 こうして、お地蔵さまは近くの福済寺(ふくさいじ)というお寺に安置され、それ以来、流行病はうそのようになくなったのでした。

 こんなことがあってから、人々はこのお地蔵さまの御利益(ごりやく)に感謝して、毎年四月二十四日には、盛大なお祭りをするようになったのです。

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