10月23日 秋田県の民話☆いたずらタヌキと木こり☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、ある山奥に、木こりの小屋がありました。
 ある晩の事、木こりが寝ていたら、
♪カンコン、カンコン
と、木を切る音が聞こえます。
(うん? 今ごろ木を切るはずがない。こりゃ、きっとタヌキのいたずらだな)
 木こりがそう考えていると、
♪カンコン、カンコン
♪ガリガリ、ドッスン
と、木を切り倒す音がしました。
(ほう、タヌキのいたずらにしてはうまいもんだ。本当に木を切り倒しているみたいだ)
 そこで木こりは戸を開けると、外に向かって言いました。
「おーい、タヌキ。なかなかうまいぞ」
 さあ、それを聞いてタヌキは大喜びです。
 それからは毎晩のように、
♪カンコン、カンコン
♪ガリガリ、ドッスン
と、音をたてました。
 はじめはおもしろがっていた木こりも、毎晩こうではうるさくて眠る事が出来ず、戸を開けてどなりました。
「やい。いいかげんにしろ! うるさくて、ちっとも眠れないじゃないか!」
 ところがタヌキはやめるどころか、ますます調子にのって、今度は木を切りたおす音だけでなく、その木が転がる音まで出すようになりました。
♪カンコン、カンコン
♪ガリガリ、ドッスン
♪ゴロンゴロン、ゴロンゴロン
 次の晩になると、音はますます近くで聞こえるようになり、
♪ゴロンゴロン、ゴロンゴロン
と、小屋をゆすぶるようになりました。
(もう、かんべんできない!)
 ついに木こりは腹を立てて、タヌキをやっつける事にしました。
 その次の晩、木こりはいろりに火をおこすと、山のように炭をつみあげました。
 それから小屋のあかりを消して、戸口のつっかい棒をはずしておきました。
 そのうちに炭はがんがんおこって、いろりがまっ赤になりました。
 木こりが眠ったふりをしていると、やがておもての方から、
♪カンコン、カンコン
♪ガリガリ、ドッスン
♪ゴロンゴロン、ゴロンゴロン
と、いう音が聞こえてきました。
 音はだんだん近づいてきて、小屋をゆさぶりはじめました。
 それでも木こりはがまんして、眠ったふりをしていました。
♪ゴロンゴロン、ゴロンゴロン
 大きな木が、戸にあたるような音がしました。
(今だ!)
 木こりは飛び起きると、ガラリと戸を開けました。
 そのとたん、戸を叩こうとしたタヌキが勢いあまって小屋の中に転がり、そのままいろりの中へ落ちたのです。
「あちあちあちー!」
 タヌキはむちゅうでいろりから飛び出すと、しっぽからけむりを出して逃げていきました。
「ははーん。ざまあみろ!」
 こうして次の晩からは、もう音がしなくなり、木こりは安心して眠る事が出来たのです。

おしまい
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