10月16日 鹿児島県の民話☆風呂屋の大黒さま☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、あるところに、お風呂屋さんとお医者さんの家が、並んでたっていました。
 お風呂屋さんは毎日大勢の人が来るので、どんどんお金がたまります。
 ところがお医者さんの家には、だれも治療を頼みに来ません。
「うむ。風呂屋が儲かっているのは、もしかしたら大黒さまのせいかもしれない」
 そこでお医者さんは、夜中にお風呂屋さんへ忍び込むと、かざってある大黒さまを盗んで来たのです。
 すると、さっそく、
「病人が出たから、来てくれ」
と、男が来ました。
「やっぱり、客が来ていたのは、大黒さまのおかげだ」
 お医者さんは、大喜びで男と一緒に出かけて行きました。
 ところがその男は強盗の一味で、お医者さんを人気のない所に連れ込むと、仲間の強盗と一緒に、お医者さんの薬箱から着物までを全部取っていったのです。
 何とか命だけは助かったお医者さんは、裸のままで家に帰ってきました。
「ちくしょう! せっかく客が来たと思ったら、強盗だったなんて!」
 考えれば考えるほど、くやしくてたまりません。
 そこで腹を立てたお医者さんは、大黒さまをつかむなり、裏の竹やぶに放り投げました。
「お前なんか、何の役にも立ちやしない!」
 すると竹やぶの中から、大黒さまが言いました。
「裸になるのは当たり前。わしはお風呂屋の大黒さまだ」

おしまい
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