10月7日 千葉県の民話☆静貫とネズミ☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、「芝山仁王尊」と呼ばれるお寺に、静貫(じょかん)という名前のお坊さんがいました。
 静貫はとても動物好きで動物を可愛がるので、静貫のまわりには犬やネコや小鳥たちがいつも集まっていました。

 それらの動物の中でも、一番なついていたのはネズミです。
 ネズミは夜になると静貫の枕元に集まって来て、布団の中にもぐったり、静貫のツルツル頭をすべって遊んだりしました。
 もちろん静貫は嫌がったりせず、いつもニコニコしていました。

 ある年のお正月の夜、寝ている静貫の耳元で、ネズミたちがチューチューと鳴きました。
 その鳴き声がいつもと違うので静貫がネズミたちを見てみると、ネズミたちが小さな手で静貫に手招きをしているのです。
「おや、わしをどこかへ案内したいのかな?」
 そこで静貫は起き上がると、ネズミの後をついて行きました。
 ネズミたちは、静貫がいつもお経をあげている部屋に静貫を連れて行きました。
 すると不思議な事に、明かりがなくて真っ暗なはずの部屋が、ほんのりと明るくなっているのです。
 静貫を案内したネズミたちは一列に勢揃いすると、一斉に踊りを始めました。
 ネズミたちはクルリと宙返りをしたり、ヒョコヒョコと後ろ足だけで歩いたりと、次から次へと楽しい芸を見せてくれます。
 やがてネズミたちの踊りが終わると、ネズミの親分が静貫の前に進み出て言いました。
「いつも、わたしたちネズミを可愛がってくれて、ありがとうございます。今日はせめてものお礼に、みんなでがんばってみました」
 それを聞いて静貫はうれしくなり、思わず目に涙を浮かべながら言いました。
「いやいや。こちらこそ、楽しい芸を見せてくれてありがとう。ネズミさんたち、これからもよろしくな」
 ネズミたちが芸を見せてくれたのはその日だけでしたが、それからも静貫はネズミたちと仲良く暮らしたということです。

おしまいペタしてね