9月27日 岐阜県の民話☆灰にかくした大福餅☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、とても欲張りな和尚さんと小僧がいました。
 欲張りな和尚さんは、おいしい物をもらっても小僧には内緒で一人で食べてしまいます。

 ある日の事、近所のおばあさんが大福餅を持ってきました。
「あんこがたっぷり入っていて、これはおいしそうだ」
 和尚さんは小僧に大福餅をあげたくないので、あみださまの後ろへ大福餅を隠しました。
(さて、どうやって小僧を追い出そうか)
 和尚さんはしばらく考えると、小僧に言いました。
「これ、小僧や。村で新しい家を建てているそうじゃ。すまないが、どのくらいの柱がたったか見てきておくれ」
 和尚さんの優しい口調に、小僧はピーンときました。
(ははーん。何かたくらんでいるな)
 でも小僧は、知らん顔で和尚さんに言いました。
「はい。行ってまいります」
 そして小僧はすぐに戻ってきて、戸のすき間から和尚さんをのぞきました。
 すると和尚さんは、あみださまの後ろから大福餅を取り出して、いろりのあみの上にならべはじめたのです。
(やっぱり)
 やがていろりの上の大福餅が焼けてきて、ぷくーっとふくらみました。
(よし、今だ!)
 小僧は、わざとどんどん足音をならしながら言いました。
「和尚さま、ただいま、もどりました!」
「なっ、何! もう帰ってきたのか。しっ、しばらく待て!」
 和尚さんは、あわてて大福餅をいろりの中に投げ込むと、上から灰をかぶせました。
「よし、入っていいぞ」
 すると小僧は中に入るなり、いろりに手をかざしました。
「ああ寒い、寒い」
 いろりの中を見てみると、灰の中のあちこちがふくれています。
(よし、ここだな)
 和尚さんはとぼけた口調で、小僧にたずねました。
「ところで、どうじゃった? 柱はどのくらい立っておった」
 すると小僧は、そばにあったたきぎの枝を手に持って、
「はい、まずここに一本立っていました」
と、ふくらんでいる灰の上から突きさしました。
「それから、ここにも一本立っていました。そして、ここにも一個、いや、一本」
 小僧は大福餅のかくれている灰の上に、次々と枝を突き刺していきます。
(しまった。ばれておったか)
 こうなって仕方ありません。
 和尚さんは、残念そうに言いました。
「わかった、わかった、わしの負けじゃ。ちょうど焼け頃だし、二人で一緒に食おう」
 和尚さんは灰の中から大福餅を取り出すと、小僧と一緒に食べたということです。

おしまい
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