6月25日 和歌山県の民話☆大平長者☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、田辺(たなべ)に佐竹某という大金持ちがすんでいました。
 この男は、大平の高台に立派な別荘をたてて、ぜいたくな暮らしをしていたので、村の人たちは『大平長者』と呼んでいました。
 長者は毎晩、庭に定紋(しょうもん)を染め抜いた、ちりめんの幕をはり、黄金の太鼓を打ちならすと、山海の珍味を食べて酒を飲んでいました。
 ある夏の事、庭に出てみると、松の木にツルが巣をつくっています。
 長者は、これはめでたいと喜んでいましたが、そのうちにツルの肉を食べてみたいと思うようになりました。
 けれども、ツルを殺すのは御法度(ごはっと)になっています。
 長者は何とかして、あのツルの肉を食べたいと笛日毎日思い続けていました。
 ある日、長者が巣の中をひょいとのぞいてみると、ツルが卵をうんで温めています。
 長者は、
「ツルを食べる事は御法度だが、卵なら取ってもよかろう」
と、その晩にこっそり卵を取り出して、かわりにアヒルの卵を入れておいたのです。
 そして人にだまって、ツルの卵を食べてしまいました。
 それから何日かたって、巣の中の卵がかえると、どうみてもツルの子には見えません。
 親ヅルはびっくりして、その日から悲しそうに飛びまわっていましたが、二、三日後には、ヒナをみんなつき殺してしまいました。
 この事があってから、あれほどぜいたくな暮らしをしていた長者大平も、だんだん貧乏になり、まもなく別荘も本宅も他人の手に渡ってしまったのです。

おしまい
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