4月8日 長崎県の民話☆勘作(かんさく)のとんち ☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、大村藩の城下町(→長崎県大村市)から十二キロほど離れた日泊(ひどまり→長崎県大村市日泊町)というところに、長沢勘作(ながさわかんさく)という頭の良い侍がいました。

 ある日の事、勘作が家の畑で草むしりをしていると、向こうからいかつい顔の侍がやって来て偉そうに言いました。
「おい、そこの百姓、諫早(いさはや→長野県諫早市)はどっちだ!?」
 しゃくにさわった勘作は、足で畑の土をけとばしながら答えました。
「あっちだ!」
 その勘作の態度が気に入らなかった侍は、怖い顔で腰の刀を抜きました。
「おのれ百姓のくせに、武士に向って何という態度じゃ! 無礼者は、手討ちにいたす」
 これには、勘作もびっくりです。
(相手は本気だな。ここは謝った方が良いのか?)
 でも勘作も侍なので、謝ったり逃げたりする事はできません。
 そこでとっさに、家の方に向かって大声で叫びました。
「おーい。これから真剣勝負をするから、清正公拝領(きよまさこうはいりょう)の朱塗りの槍を持ってこい!」
 それを聞いた侍は、顔を真っ青にして震え出しました。
「清正公拝領の槍だと! ・・・いかん、とてもかなう相手ではない」
 侍はそう言って、しっぽを巻いて逃げていきました。
「やれやれ、逃げてくれて助かった」
 武芸がまるで駄目な勘作は、ホッと胸をなでおろしました。

おしまい
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