2月21日 岡山県の民話☆モグラの目が見えないわけ☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかしむかし、あるところに、一匹のモグラの大将がいました。
「いくら世界広しといえども、モグラより穴掘りの上手な奴はおらんだろう。
 だから世界で、モグラが一番えらいんだ。
 ・・・だが、さすがのおれたちも、土の上に出るとおてんとうさまがギラギラと照らすので、背中が熱くなって困る。
 どうにか、ならないものか」
 するとそこへ物知りのモグラがやってきて、大将のモグラにこう言ったのです。
「それならハギの木の枝を切って、弓をこしらえてはどうでしょうか?
 ハギの弓は良く飛びますから、その弓でおてんとうまを射ち落としましょう」
「なるほど。よし、そうしよう」
 そこでモグラの大将はハギの枝で弓矢を作ると、空に浮かんでいるおてんとうさまに狙いをつけました。
「おてかとうさま、覚悟しろ!」
 ビューーーン!
 こうして放たれた矢は、見事おてんとうさまに命中しました。
 そしておてんとうさまの一部が欠けて、辺りが暗くなったのです。
 これが、日食の始まりだと言われています。

 さて、おてんとうさまが欠けて暗くなったので、モグラの大将は仲間のモグラたちを引き連れて、大いばりで地上に出ました。
「ああ、いい気持ちだな。風というものが、こんなに気持ちいいとは知らなかった。なにしろ土の中では、風はふかんかんな」
 モグラたちがのんびりしていると、いつの間にかおてんとうさまの傷が治って、おてんとうさまがいつもよりもずっと強く輝いたのです。
「わあ! まぶしい!」
 それを見たモグラたちはあわてて土の中にもぐりましたが、その時におてんとうさまの光で目をつぶされてしまいました。

 こうしてモグラは、目が見えなくなったのです。

おしまい