2月23日 日本の昔話☆拾った財布☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

むかし江戸の町に、左官屋(さかんや→壁をぬる職人)の伝助(でんすけ)と言う人が住んでいました。
 ある年の十二月、仕事の帰りに道で財布を拾いました。
 中を調べると、一両小判が三枚入っていました。
「おやおや、もうじき正月が来るというのに、三両(→約二十一万円)ものお金を落とすなんて気の毒に。落とした人は、さぞ困っているだろうな」
 伝助が財布をよく調べてみると、名前と住所を書いた紙が入っていました。
「なになに、神田(かんだ)の大工の吉五郎(きちごろう)か。よし、ひとっ走り届けてやろう。今頃きっと、青くなって探しているだろうよ」
 親切な伝助は、わざわざ神田まで行って、ようやく吉五郎の家を探し出しました。
「こんにちは。吉五郎さん、いますか?」
「ああ、おれが吉五郎だが、何か用かね?」
「わたしは左官の伝助と言うんだがね、お前さん、財布を落とさなかったかね?」
「ああ、落としたよ」
「中に、いくら入っていたんだね?」
「そんな事、何でお前さんが聞くんだい?」
「何でもいいから、答えてくれよ」
「三両だよ。お正月が来るんで、やっとかき集めた大事な金だったんだ」
 それを聞いて、伝助は、
「そうかい。それじゃこれは、確かにお前さんの落とした財布だ。ほら、受け取ってくれ」
と、財布を差し出しました。
 ところが吉五郎は財布をチラッと見ただけで、プイと横を向いて言いました。
「それは、おれのじゃないよ」
「えっ? だってお前さん、今、大事な三両が入った財布を落としたって言ったじゃないか。それに、お前さんの名前と住所を書いた紙も入っていたんだ。この財布は、確かにお前さんの物だよ」
「そりゃあ、確かにおれは財布を落としたよ。だけど、落とした物は、もうおれの物じゃない。拾ったお前さんの物だ。持って帰ってくれ」
「何だって!」
 伝助は、ムッとしました。
「何て事を言うんだ! 拾った物を黙って自分の物にするくらいなら、わざわざ探しながらこんなところまで届けに来たりするもんか。素直に『ありがとうございます』と言って、受け取ればいいじゃないか!」
「ちえっ、お前さんも強情っぱりだなあ。おれは、その財布はお前さんにくれてやるって言ってるんだぜ。そっちこそ素直に『ありがとうございます』と言って、さっさと持って帰りゃあいいじゃないか。第一、この十二月になって三両もの金が手に入れば、お前さんだって助かるだろうに」
「馬鹿野郎!」
 とうとう伝助は、吉五郎を怒鳴りつけました。
「おれは乞食(こじき)じゃねえ! 人の物を拾ってふところへ入れるほど、落ちぶれちゃいないんだ。ふざけるのもいい加減にしろ。とにかく、これは置いていくぜ」
 伝助が財布を置いて帰ろうとすると、
「おい待て!」
 吉五郎はその手を掴んで、財布を押しつけました。
「こんな物、ここに置いて帰られちゃ迷惑だよ。持って帰ってくれ」
「この野郎、まだそんな事を言ってるのか」
 二人の頑固者は、とうとう取っ組み合いのけんかを始めました。
 その騒ぎを聞いてやって来た近くの人たちが、いくらなだめても二人とも聞きません。
 近所の人たちは困り果てて、とうとうお奉行(ぶぎょう)さまに訴えました。

 その時のお奉行さまは、名高い、大岡越前守 (おおおかえちぜんのかみ)という人でした。
 越前守(えちぜんのかみ)は、二人の話を聞くと、
「大工、吉五郎。せっかく伝助が届けてくれたのだ。素直に礼を言って、受け取ったらどうじゃ?」
「とんでもありません、お奉行さま。落とした物は、無くしたのと同じでございます。ですからもう、わたくしの物ではありません」
「では、左官、伝助。吉五郎がいらないと言うのだ。この三両は拾ったお前の物だ。受け取るが良いぞ」
「冗談じゃありません、お奉行さま。拾った物をもらうくらいなら、何もこの忙しい年の暮れに、わざわざ神田まで届けに行ったりなどしやしません。落とした物は落とした人に返すのが当たり前です」
 二人とも、頑固に言い張って聞きません。
 すると越前守は、
「そうか。お前たちがどちらもいらないというなら、持ち主がない物として、この越前(えちぜん)がもらっておこう」
「へっ?」
「へっ?」
 お奉行さまに金を横取りされて、二人はビックリしましたが、でも、いらないと言ったのですから、仕方がありません。
「はい。それで結構です」
「わたしも、それで結構です」
と、答えて、帰ろうとしました。
 その時、越前守は、
「吉五郎、伝助、しばらく待て」
と、二人を呼び止めました。
「お前たちの正直なのには、わしもすっかり感心した。その正直に対して、越前から褒美(ほうび)をつかわそう」
 越前守はふところから一両の小判を取り出すと、さっきの三両の小判と合わせて四両にし、吉五郎と伝助に二両ずつやりました。
 ところが二人とも、なぜ二両ずつ褒美をもらったのか、訳の分からない様、妙な顔をしています。
 そこで越前守は、笑いながら言いました。
「大工の吉五郎は、三両を落として二両の褒美をもらったから、差し引き一両の損。
 左官の伝助は、三両を拾ったのに落とし主に届けて、二両の褒美をもらったから、これもやはり一両の損。
 この越前も一両を足したから、一両の損。
 これで『三方、一両損』と言うのは、どうじゃ?」
「なるほど!」
 吉五郎と伝助は顔を見合わせて、ニッコリしました。
「さすが名奉行(めいぶぎょう)の大岡さま。見事なお裁き、おそれいりました」
「このお金は、ありがたくいただいてまいります」
「うむ。二人とも珍しいほどの正直者たちじゃ、これからのちは友だちとなって、仲良く付き合っていくがよいぞ」
「はい。ありがとうございます」
 吉五郎と伝助は、ここに来た時とはまるで反対に、産まれた時からの仲良しの様に肩を並べて帰って行きました。
「うむ、これにて、一件落着!」


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