7月19日の民話☆良寛☆ | ☆かおりキャンドル®☆CANDLE ARTIST☆手作りキャンドルのお花のお部屋☆ フラワーキャンドルアーティスト☆きょうちゃんのブログ☆

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蝋で花の芯から作り、花びら一枚一枚全て手作業でお花のキャンドルに仕上げていく工房での出来事を綴ったブログです(*^。^*)  

ある日の事、村から帰ってきた良寛は、お寺の縁側の床がふくらんでいる事に気づきました。
「おや? どうした事だ?」
 不思議に思った良寬が床下をのぞいてみると、なんと床下から一本の竹の子が生えていて、床を下から押しているのでした。
「ああ、これは大変だ!」
 良寬は急いで物置へ行くと、のこぎりを持ってきました。
 そして、そののこぎりで竹の子を切るのかと思えば、なんと良寬は竹の子の真上の床を四角く切り抜いたのです。
「これでよし。きゅうくつな思いをさせてすまなかったね。さあ、竹の子さん。遠慮はいらんから、ずんずんと伸びなされよ」
 良寬とは、こんな人物だったのです。
 さてこの竹の子は、それからも毎日すくすくと大きくなりました。
「がんばれ、竹の子さん」
 良寛は、毎日大きくなる竹の子を見て大喜びです。
 でもそのうちに、
「いや、これはどうしたものかのう?」
 何と竹の子は、天井に届くまで大きくなってしまったのです。
「天井を切れば雨がもるし、かといって、竹の子を切るのも可哀想だ。天井と竹の子、どっちが大切かと言うと」
 ちょっと考えた良寛は、物置からのこぎりとはしごを持ってくると、竹の子の周りの天井を四角く切り抜いてやったのです。
「さあ、もう安心じゃよ。竹の子さん、がんばれよ」
 おかげで小さかった竹の子は、立派な竹になりました。
 でも雨が降ると天井の穴から水が入ってきて、お寺の床は水びたしになってしまいます。
 それでも良寛は満足げに、
「なあに、雨でぬれた床は拭けばいい。それより竹さんが、雨をあびて喜んでおるわ」
と、言ったそうです。


※ 良寬(りょうかん)は、越後国(えちごのくに→新潟県)の名主の息子に生まれ、俳人でもあった父の影響を受けて、書や和歌、漢詩で名を広めた人物です。
 この良寬は人付き合いが苦手で、十八歳で出家したのち、約三十年もの間、全国を旅しながら修行を続け、そしてその後は故郷の近くの山寺で暮らしました。
 これは、その良寬が出雲崎(いずもさき→新潟県三島郡)の山寺に住んでいた頃のお話しです。


~新潟県の民話~


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