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はなくちめがねの脱若年性認知症ブログ

自身の性格の悪さから若年性認知症のような状態になってしまったところから、脱却するために綴るブログ

鉱物採集の課題には期限が付いていて
それを越えるとそれだけのペナルティがある。

私が何も結果をのこせないでいる中、
同時課題に取り組んでいるカズちゃんは
確実に結果を出していた。

どこかで、カズちゃんができるなら
自分にもできるはずだ、とナメてしまっていた…

どれだけ難しいことをやっているかを
汲み取ろうとしてなかった。

実際に自分が採集に行った時だった。

課題の鉱物の中で、最も近くで産出されている
手稲石という青く美しい結晶の石を探しに
手稲山に向かった。

その数日前に大先生から採集できる可能性がある場所について
深夜遅くまでアドバイスしてくださっていたのに
ボイスレコーダーにその時の内容をとってこれでバッチリと思っていたはずが
電池切れで全く取れていなかった…

断片的に覚えていたのが川沿いを…というだけで
重要な部分は抜けてしまっていた。
それ自体も自分の記憶違いだったかもしれない。

そんな曖昧な記憶と、楽をしようとする意識で集めた情報を元に
手稲山に入った。

入った時は薄曇りで、涼しくて山に入るにはちょうど良いかも
くらいに考えていた。

ネットの情報を頼りに山道の分岐を右に曲がり
20分ほど歩いても、目当ての鉱山の抗口跡はどこにも見当たらず
休憩してから登っていくと、また分岐があった。

明らかにネットの情報とは違う場所にきていたが
登山コースに戻る方に進んでいった。

その途中で、一瞬どこかで嗅いだことのあるような匂いを感じ
ふと思い返すと、それは動物園、もしくは登別のクマ牧場などで感じた
独特の獣の匂いだった。

寒気が走ったが、その匂いは一瞬で消えたので
気のせいかもしれないと、先を急いだ。

それから、30分ほど入ったところに小川が流れていた。
これも自分の勝手なイメージだが
以前大先生たちと採集に連れて行ってもらった時は
川で採集していたな…と、これも浅はかな考えで
小川を石を探しながら下っていった。
そうこうしているうちに霧がだいぶ濃くなってきて
これはまずいなと、戻ってみたが元来た道とは違うところに出てしまったようで
どうしたものかと、教室の時間も過ぎている中焦りながらウロウロしていた。

すると間もなく、手にビニール袋を持った、
60代くらいの背の高い優しげなおじさんがいたので
まずはと挨拶をすると、
自分のことを心配してくれてか
いろいろ話しかけてくれたのだった。

自分が手稲石を探してることを伝えると
そのおじさんは手稲在住で20年近く手稲山を暇さえあれば散策しているという人で
手稲石は探したことがあるけど、実物は一度も見たことがないとのことだった。

その日はフキとタモギというキノコを取りに山に入っていて
その帰り際だったらしく、大きめのビニールには大きなタモギが
いっぱいに入っていた。

これから下山する旨を伝えると
この天気だと大変だろうから、下まで送っていこうか?
と言ってくださった。
おじさんは山の中腹近くまで車で来ていて
出会った場所からわりと近くにとめていて
そこから車で15分ほど離れた自分が車を停めていた山道の入り口付近まで
親切に送ってくださった上に、タモギとフキのお土産までいただいたのだった。

その時は正直、早く帰れて本当に助かったというくらいにしか思っていなかったが
後に大先生からそれは奇跡的に助けられたことなんだと教えていただいた。

確かにあのまま霧の中、あてもなく歩き回っていたら
本当に遭難して、クマが付近を歩き回っている山に一晩放置されていたかもしれないのだ…

これを書いている段階でも、その本当の恐ろしさは認識できていないのかもしれない

実際にその時のことを、教室のメンバーに話す時、
自分は大したことはなかったんだけど
というニュアンスで話してしまっていたのだ。

カズちゃんは、そんな恐怖と隣り合わせの鉱物採集の課題を確実にこなし
大先生やメンバーが驚き、悔しがるほどの成果をだし
自分から見ても「カズちゃんはこのままだと本当にマズイんじゃないか」という状態から
仲間から絶賛され、表情や発言も全く違う別人のようになっている。

大先生の課題は本気で取り組み結果を出すと
それだけ絶大な効果があるのに、
いまだ結果を出せていない
結果を出すまでの本気になっていないのだ…

大先生から、自分の認知症をなんとかするための新しい課題をいただいた。

それは以前から、先生と教室の一部のメンバーが行っていた
鉱物採集というものだった。

私も、そにうち何度かだけ参加させていただいたことはあったのだが
一人で行くことはなかった。

あまりにも大先生が出してくださったシンプルな課題をやらないで
仲間のアドバイスも聞き入れることがなかったため
最終手段としての鉱物採集なのだと思う。

課題が出る前にカズちゃんから何度も
鉱物採集するのに誘ってもらっていたが
なんだかんだ理由をつけて断ってしまっていた。

課題はいたってシンプルで
指定された場所の指定された鉱物を採集してくるというもにだったが
実際に自分が一人でやってみるまで、正直ナメてしまっていた…

それは以前参加させてもらった時に
非常に珍しいとされている鉱物が重くて背負うのが大変なほど
みんなが発見して採集させてもらったり(自分自身は一つだけだった)

カズちゃんに同行した時も、綺麗な鉱物がいくつか採集することができた
という印象だけが残っていたからだと思う。

それと、一番大きいのは自分の性格の問題だ。
自分はやりもしないの、全く根拠のない自信があって
やればできると思っている節が常にあるのだ…

実際、大先生やメンバーは膨大な時間と労力を費やすだけでなく
様々な要因から分析し、その鉱物がある場所をピンポイントで特定し
そこをめがけて採集に向かっていたのだ。
そんな全てお膳立てされた状態で参加させてもらっているのに
その労力や気遣いを考えることなく
ただただ楽しく参加させてもらい、その後も考えることをしなかった。

それは自分の考えをはるかに超えていて
実際にはそれがどれほど大変なことかは未だ理解できていないのだと思う。

自分自身で動くことで
自分の浅はかな考えでは到底及ばないことが少しづつ明らかになってきた。

大先生から課題を出していただいてから1週間は
実際にその場に行くことなく
とにかく場所を絞り込もうとネットで調べたり
図書館や、博物館、研究施設などで資料を集めた。

この行動も、場所さえわかれば見つけられると
自分の能力を過信している現れだと指摘してもらって
はじめてそのことに気づかせてもらっている。
自分自身では自分の考えていることすらわからないのだ。

しかもそこには楽して見つけようという意識が強く働いて
とにかく人を頼ろうと、近道してみつけようとしていた。

そに中で、博物館で知り合った地学の先生から情報を得ようとしたり
目当ての鉱物やその場所に関する記述をしている人にも
メールで直接コンタクトを取るなどして
表面的にはいろいろな情報が集まってきて
これさえあれば見つかるに違いないとタカをくくっていたのだった。