浅はかすぎるこうぶつ採集② | はなくちめがねの脱若年性認知症ブログ

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自身の性格の悪さから若年性認知症のような状態になってしまったところから、脱却するために綴るブログ

鉱物採集の課題には期限が付いていて
それを越えるとそれだけのペナルティがある。

私が何も結果をのこせないでいる中、
同時課題に取り組んでいるカズちゃんは
確実に結果を出していた。

どこかで、カズちゃんができるなら
自分にもできるはずだ、とナメてしまっていた…

どれだけ難しいことをやっているかを
汲み取ろうとしてなかった。

実際に自分が採集に行った時だった。

課題の鉱物の中で、最も近くで産出されている
手稲石という青く美しい結晶の石を探しに
手稲山に向かった。

その数日前に大先生から採集できる可能性がある場所について
深夜遅くまでアドバイスしてくださっていたのに
ボイスレコーダーにその時の内容をとってこれでバッチリと思っていたはずが
電池切れで全く取れていなかった…

断片的に覚えていたのが川沿いを…というだけで
重要な部分は抜けてしまっていた。
それ自体も自分の記憶違いだったかもしれない。

そんな曖昧な記憶と、楽をしようとする意識で集めた情報を元に
手稲山に入った。

入った時は薄曇りで、涼しくて山に入るにはちょうど良いかも
くらいに考えていた。

ネットの情報を頼りに山道の分岐を右に曲がり
20分ほど歩いても、目当ての鉱山の抗口跡はどこにも見当たらず
休憩してから登っていくと、また分岐があった。

明らかにネットの情報とは違う場所にきていたが
登山コースに戻る方に進んでいった。

その途中で、一瞬どこかで嗅いだことのあるような匂いを感じ
ふと思い返すと、それは動物園、もしくは登別のクマ牧場などで感じた
独特の獣の匂いだった。

寒気が走ったが、その匂いは一瞬で消えたので
気のせいかもしれないと、先を急いだ。

それから、30分ほど入ったところに小川が流れていた。
これも自分の勝手なイメージだが
以前大先生たちと採集に連れて行ってもらった時は
川で採集していたな…と、これも浅はかな考えで
小川を石を探しながら下っていった。
そうこうしているうちに霧がだいぶ濃くなってきて
これはまずいなと、戻ってみたが元来た道とは違うところに出てしまったようで
どうしたものかと、教室の時間も過ぎている中焦りながらウロウロしていた。

すると間もなく、手にビニール袋を持った、
60代くらいの背の高い優しげなおじさんがいたので
まずはと挨拶をすると、
自分のことを心配してくれてか
いろいろ話しかけてくれたのだった。

自分が手稲石を探してることを伝えると
そのおじさんは手稲在住で20年近く手稲山を暇さえあれば散策しているという人で
手稲石は探したことがあるけど、実物は一度も見たことがないとのことだった。

その日はフキとタモギというキノコを取りに山に入っていて
その帰り際だったらしく、大きめのビニールには大きなタモギが
いっぱいに入っていた。

これから下山する旨を伝えると
この天気だと大変だろうから、下まで送っていこうか?
と言ってくださった。
おじさんは山の中腹近くまで車で来ていて
出会った場所からわりと近くにとめていて
そこから車で15分ほど離れた自分が車を停めていた山道の入り口付近まで
親切に送ってくださった上に、タモギとフキのお土産までいただいたのだった。

その時は正直、早く帰れて本当に助かったというくらいにしか思っていなかったが
後に大先生からそれは奇跡的に助けられたことなんだと教えていただいた。

確かにあのまま霧の中、あてもなく歩き回っていたら
本当に遭難して、クマが付近を歩き回っている山に一晩放置されていたかもしれないのだ…

これを書いている段階でも、その本当の恐ろしさは認識できていないのかもしれない

実際にその時のことを、教室のメンバーに話す時、
自分は大したことはなかったんだけど
というニュアンスで話してしまっていたのだ。

カズちゃんは、そんな恐怖と隣り合わせの鉱物採集の課題を確実にこなし
大先生やメンバーが驚き、悔しがるほどの成果をだし
自分から見ても「カズちゃんはこのままだと本当にマズイんじゃないか」という状態から
仲間から絶賛され、表情や発言も全く違う別人のようになっている。

大先生の課題は本気で取り組み結果を出すと
それだけ絶大な効果があるのに、
いまだ結果を出せていない
結果を出すまでの本気になっていないのだ…