「コレは割らないでカットしなさい」と瞬時におっしゃった。
もしかして、黄鉄鉱なのか…
期待を膨らませながら
他の丸いノジュールを片っ端から割ってみたが、化石のようなものが入っているのと
なにも入っていないものとばかりで
残るは例の重いノジュールのみとなった。
次の日に、石をカットしてもらえるところを探すと、わりと近場に石材工場があって
平日の朝一であればカットすることができるとのことだった。
月曜日になり、いよいよ例の重いノジュールをカットしてもらうのに石材工場に向かった。
職人気質の石材屋さんは、
なんだかんだいいながら丁寧に石をカットしてくれた。
カットしたてで石の粉がついたのをはらうと、金色の黄鉄鉱らしきものが石の中心部と輪を描いて光っていたのだ。
ど素人の自分でも、コレは間違いない!
とわかるほどに綺麗に結晶が入っていた。
これはこのままでいいのかい?
と石材屋のおじさんに聞かれたので
片面だけ磨いてもらうことにした。
コレはポイントになるかもしれない…
ドキドキしながら、道場の掃除に向かった。
道場について、ねえちゃん、すけちゃんにカットした石をみてもらうと
「やったしょー!!」ととても喜んでくれていた。
自分がどうしようもないことばかりしていたので、仲間が喜んでいる顔をみるのが
本当に久しぶりのことで涙が出るほど嬉しかった。
大先生にも見せに行ってくれて、
「完璧な黄鉄鉱だ」とのお言葉もいただき
さらに感極まった。
やった!!雲から抜け出した気分だ。
その後、仕事の打ち合わせがあったので
意気揚々と道場を後にして仕事に向かった。
そこで既に自分のどうしようもないクセが始まっていたのだ…