SDGs de 地方創生 |   八女でゆったり 一日一生

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                    現在はお茶どころ福岡県八女市に住んで世界とつながっています

先日、柳川市の古民家で行われた【SDGsを具体的なアクションにつなげよう!】ワークショップに参加しました。

午前中は昨日の記事に書いたSDGsの全体像を把握するゲームを行い、午後はSDGs de 地方創生」ゲームを行いました。

これはSDGsの地方版で、地域づくりにSDGsを活用するヒントを見つけるために、日本各地で行われている実際の活動を元に作られたカードゲームです。

 

 

地方創生とは、日本の人口の現状と将来の姿を示し、今後目指すべき将来の方向を提示する「まち・ひと・しごと創生 長期ビジョン」です。

この実現のために、5ヶ年の目標や施策や基本的な方向を提示する「まち・ひと・しごと創生 総合戦略」が、14年12月に閣議決定されました。

まもなく来る2020年からは、第2期に入ります。

 

 

地方創生を考える時に、阿部ファシリテーターが話してくださった中で印象に残ったのは、「現代社会が抱える問題は、これまでのジグソーパズル型(理想の姿に向かって手順を明確にすれば解決可能な問題)ではなく、ルービックキューブ型(様々な要素が絡み合い、原因を1つに特定できない。自分自身が問題の一部になっている。なんらかの対策を打つと、多方面に様々な栄養をもたらし、問題解決から遠ざかってしまうこともある問題)になっている」というお話でした。

教育問題一つを取り上げても、本当に様々な原因が絡み合っていて、家庭だけでも学校だけでも解決できません。

領域を超えて様々につながり合う現代社会は、全体をとらえた多様な取り組みを、みんなで実現する必要がありますね。

 

 

このゲームの目標は、ゲームを終了したあとに参加者一人一人が良い方向に行動変容を起こすことです。

今回も参加者は、自分の志(ゴール)を達成するとともに、持続可能な街を実現することがゴールとなります。 

 

ゲームの3つのポイントは次のものです。

POINT①行政担当、または住民の役割を演じる

行政担当として4つの役割があり、まちで活動する市民として12の役割があります。

行政は民間よりも多くのお金を与えられ、地域全体の未来を考えて、補助金や融資として最適な予算配分をすることになります。  

POINT②まちの状態をあらわす地域の状況メーター』を用いる

まちの状態は「人口」「経済」「環境」「暮らし」という4つの指標で表されます。

何も具体的な対策をしないでいると、人口は徐々に減少をはじめます。

POINT③まちを彩る具体的なプロジェクトを遂行する

具体的にそれらの施策を実践したときにどのような効果が生じるのかはわかりません。

自分の行動一つ一つがまちに与える影響を考えながらプレイしていく必要があります。

 

 

私は『観光事業者』を選びました(他には『第1次産業従事者』等様々な職業の方がいました)。

10人それぞれに、お金カード、ヒト資源カード(地方議会、営業&マーケター、クリエイター、研究者等)、プロジェクトカードが配られ、お金とヒト資源を使ってアクションを起こします。

私のゴールは『まちづくりを4件以上実現する』でした。

私たち10人の地域には『地域の状況メーター』があり、どんなプロジェクトが遂行されたかで、人口、経済、環境、暮らしの4分野がどれだけ豊かになっているかが示されます。

ただ地域版では、そのプロジェクトを遂行した時にどのメーターが増減するかが知らされておらず、遂行してみないと状況がどのように変わるかわかりません。

例えば、良い事業だと思って取り組んでも、経済が下がって、しかも人口や暮らしがマイナスになるということもあるのです。

私たちはそのアクションが自分たちの地域にどんな結果をもたらすかを、シミュレーションしながらバランスの良い地域を目指す必要がありました。

 

 

最初にそれぞれにプロジェクトが4つ与えられ、私は集めたい『まちづくり』の案件がまたもや手元に1つしかありませんでした。

それは『世界遺産登録』と言う大事業で、お金もヒト資源もたくさん必要。

とてもすぐには取り組めそうにありませんでした。

私たちはまず全員で、誰がどんなプロジェクトをもっているかを確認しあい、地域が活性化しそうな案件からみんなで取り組んでいきました。

地域が活性化してくると、お金とヒト資源が増え、他のプロジェクトにも取り組めるようになり、私は『まつり再生プロジェクト』『若年夫婦向け空き家リノベ賃貸』『まちまるごと植物園』『世界遺産登録』の4つのプロジェクトを実現することができました。

ただ、常に人口メーターに気を配っていないとどんどん人口が減ってしまうので、自分のゴールを達成した後は移住者受け入れや雇用に関するプロジェクトを、協力して行っていきました。

私たちの地域は、全てが終わった時点で人口5→7→10、経済5→10→15、環境5→8→12、暮らし5→8→17と、素晴らしい成果を挙げました。

 

 

振り返りでは、なぜこのような変化が生まれたのかを話し合いました。

・行動しまくったおかけでお金が回るようになった

・どんな結果が出るのかわからないので、プロジェクトの内容をきちんと見て実行したのが良かった

・働きかける、話しかけると言うことが活発にされていたのが良かった

・全体の情報整理がよくできていた

・1つのプロジェクトに対し反対意見、賛成意見があったが、パートナーシップを心がけたのでうまくいった

・そのプロジェクトを遂行したためにメーターを減らしてしまった失敗もあったが、致命的な失敗がなかったのが良かった

 

私たちの地域はとても良い地域になりましたが、実際には手元にヒト資源カードがあるわけでなく、プライバシーとの折り合いや利害関係等もあり、ここまでうまくはいかないかもしれません。

でも、実社会でも、お金だけでなく情報とヒト資源がとても大切なこと、共通の目標(状況メーターを上げる)をもつとパートナーシップを組めること、ノルマでなく主体的に関わるのが大切だということは同じでしょう。

 

 

これまで自分が国会の議論などを聞いてモヤモヤしたものを感じていたのは、この『大きなゴールを共有する』という点が抜けていたためだということに気づきました。

私たちはどういう世界をつくりたいのか、そのためにこの国は、この地域はどうしていけばよいのかということを共有しなければ、瑣末な案件で賛成だ反対だと並行線の議論をして無駄に時間が過ぎていくということになるのでしょう。

人は強要しても動かないから、SDGsを共通言語としてみんなで動いていけるよう、まず自分が始める、伝えるということをしていきたいと思います。

現代社会の問題は複雑につながっているから解決策もつながっている、自分と関係ないことは何一つないということをここで学びました。

現実の自分のゴールを設定し、自分なりにアクションを考えて取り組みたいと思います。

 

最後に、世界の人口のうち極度の貧困にある人の割合は過去20年で半分に、低所得国に暮らす女子の6割が初等教育を終了できるように、1996年に絶滅危惧種指定されたトラ、ジャイアントパンダ、クロサイのうち当時よりも絶滅の危惧に瀕している動物はなくなったということを教えてもらいました。

2ユーロのTシャツを自販機で買おうとした人たちが、このTシャツを作るのにどんな人たちがどんな働き方をしているのかを知って、買うのをやめて寄付ボタンを押す動画も観せてもらいました。

私たち人類にはまだまだ、地球を守り、豊かな社会を築いていく力があるということを信じて、行動していきたいと思います。