「明日はどうしても九イ分へ行きたい
んだ」
健之丞は、淑芬にそう話した。
千と千尋の神隠しの舞台となった場所。
しかし淑芬の顔は何故か暗かった。
父との悲しい別れ。
いつも背中にしょっていたウサギの
ぬいぐるみのリュックを買ってもらった
九イ分。
「そんなの関係ないよ。これからは
幸せになるんだよ」
健之丞は淑芬にそう話した。
淑芬は嬉しかった。
心から心配してくれ、励ましてくれる
健之丞を直ぐに好きと感じた。
「アシタハ、シゴトナンデス。
ソノツギハアエマス」
健之丞の台北での宿泊先は松江南京の
オフィス街のホテル
「じゃあ、また会ってもらえる?」
健之丞の脳裏には直ぐに、厳しい
政治家の父の顔が浮かんだ。
それは、出会った瞬間に淑芬を好きに
なったからだ。
淑芬は外国の人
もしお付き合いする事になったら
「いや、そんなの関係ない・・」
そう自分にいい聞かせる健之丞だった。
🏮🏮🏮🏮🏮🏮
別れの日
健之丞は淑芬を空港ロビーで待って
いた。
「キョウハ、オベントウツクッテ
キマシタ」
台北101のスーパーで、仕事終わりに
材料を買い揃え、朝からお弁当作りを
した。
中身はお握り、卵焼き、酢豚、小籠包
キャベツの炒め物など
「ママニテツダッテモラッタ!」
「ありがとう。また会おうね」
最後に健之丞は小さい声で呟いた。
「愛しています」
「謝謝。再見」
台北 桃園空港初東京羽田行き
15:35
「また、来ます」
そう約束して健之丞は台北をあとにした。
2時間30分後
東京羽田空港着
空港ロビーには健之丞の姿
1本の電話が入る。
それは健之丞への初めてのテレビ
出演依頼の電話だった。
〘 初めての携帯小説を大好きな台北を
舞台に書きました。
これから後も、続編があるかも
しれませんが一応ここで閉じます
ここまで読んで頂きありがとう
ございました
謝謝 〙
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