携帯小説 『玉手箱』 | hanautaののんびりブログ

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音楽.旅行.講演会の記事小説を書いたりしています。
最近は社会問題に取り組んでいます。貧困問題.ヤングケアラー
『玉手箱』『只今執筆中でございます』宜しくお願いします。ジャンル変更しました。

〘初の携帯小説を書いてみました
連載になります〙

      🏮
大和健之丞(ヤマトタケルノジョウ)と
李淑芬(リシュフェン)が出会ったのは
桜咲く頃、健之丞が初めて台湾へ旅行
した時だった。

健之丞は駆け出しの作家で父は政治家だ。
健之丞も将来は父の後を次ぐであろう
エリートの家庭に育った。

大学では経済学を専門に学び、教師を
目指していたが、初めて応募した小説が
優秀作品になり一気にベストセラー作家に
なる。
そしてそのまま作家の道を歩む事になる。

しかし、教師を諦めた訳ではない。
大学からの依頼で非常勤講師としても
大学に出向いている。

李淑芬は短大を卒業したばかりの22歳
台北に母と2人暮らしをするOLだ。

いわゆる母子家庭に育った淑芬は気立て
のいい優しい女の子に育った。

「淑芬ご飯食べに行こう!」

台北では、外食をするのが日常である。
少し雑な部分もあるが、昔ならではの味で
調理された料理を、好きな数だけ注文
して食べる。

    🏮🏮 
バタン!!
「あ、ご免なさい」

台北の桃園空港に着いた健之丞は
まず龍山寺を目指していた。
スマホを片手に道をうろうろしていた
瞬間2人はぶつかった。

「大丈夫?怪我しなかった?」
「ハイ、ダイジョウブデス」
「あれ、日本語上手だね!」

「ハイ、スコシハナセマス」
「そうなんだ。ごめんごめん。お詫びに
ジュースご馳走する」
「時間ある?」

健之丞は龍山寺に行くのも忘れ、近くの
喫茶店へ意気投合した淑芬と向かった。

初めて訪れた異国の地で淑芬のような
女の子と出会えて健之丞は、嬉しかった。

いつもならシャイで声などかけられない
のに、淑芬はずっとずっと昔一緒にいたよう
な人に思えた。