先月、日本、米国、中国など9カ国の17~19歳に行われた「社会や国に対する意識調査」が発表され、メディアでも話題になっている。
興味深いのは、「自分を大人だと思う」「自分で国や社会を変えられると思う」などの「自身」を問う六つの質問すべてで、日本人の「はい」と答えた割合が最下位だったことだ。
もちろん、国際的に教育水準が高い日本の若者が、諸外国と比較して客観的に“子ども”であり、“社会を変えられない存在”だとは言い切れない。
こうした結果の背景にある一つの要因として、若者の「自尊感情」の低さが考えられるだろう。
内閣府が昨年行った若者意識調査の国際比較でも、「自分自身に満足している」などの自己肯定感を問う項目で、満足する割合が一番低かった。
自尊感情には「自己肯定感」と「自己効力感」があるとされる。
“自分が自分であってよいという感覚”が自己肯定感で、自己効力感は“自分ならできるという実感”のことだ。
こうした感覚が育まれないと、「自己無力感」が強まる。若者の自尊感情を高めることは、社会全体の大きな課題でもある。
まず“周囲と比較せず自分を認めること”。
「今の若い人は、周りと自分を比べ過ぎてしまうところがある」とは、ラグビーW杯2019アンバサダーを務めたOさん。
「自分が決めた道を恐ずに一歩一歩進んでいく中で、経験という“引き出し”が増えていく。それが、間違いなく自分の力になる」。
『ツレがうつになりまして。』の作者は「“ここまでできた”と自分を認めていくことが大切」と語る。
もう一つは“達成感を味わう工夫”だ。
日本の教育界やスポーツ界では、高い目標を立て、失敗した時に自己を否定してしまう傾向が強い。
テニスの選手の指導に携わったKさんは「ハードルを下げ、達成感をプレゼントする」点を強調。
元新体操日本代表選手のHさんも“小さな目標達成”を積み上げる工夫を訴える。
他人が気になり、生真面目で自分を否定しがちな日本の若者たち――そんな将来を背負う世代に、もっと自信を持ってもらうため、励ましを送ることも必要だろう。