近畿圏は、というと主語がデカいのですがどうも天気に恵まれない10月でした。月末は駆け込みで晴れ日があったもののトータルのピーカン日数は10日もないはずです。そんでもってグズっているうちに航空業界は冬スケを迎えました。神戸では夜のKEが737-900に切り替わるのが目玉で、もちろん初飛来となります。 あれ、中国東方は....まあ見守りましょう。
737-9B5ER HL8221
結局739の初日は見て来ました。機体自体は見たことがありますが、新塗装になってからは初めましてでした。冬スケで便名も変わり新しい日常のスタートを感じさせました。
話は戻って、それで天気が悪いとなったらまあ既存の機体をしみじみ眺めるしかないわけで、その過程でJA07ANのエラー発見に至った次第であります。
超簡単にエアドゥの塗装の変遷を見てみましょう。
2013年に全日空が運航していた札幌線の一部に参入する形で神戸への就航を果たしたエアドゥ。今ではすっかりお馴染みの存在です。
1. デザインの変遷と概要
神戸への就航当初はまだ737-500が活躍していたので、旧塗装が飛来することもしばしばありました。
737-54K JA8595
創業当初のカラーリングは水色と黄色の太い線を配し、正式社名北海道国際航空の英訳「Hokkaido International Airlines」が小さく記入されていました。尾翼は大胆に水色と黄色が横切り今にも続くAIR・DOのロゴが入っていました。
創業からこのデザインを使っていましたが、737-700の導入を機に大胆なリフレッシュが行われます。
737-781/WL JA15AN
この当時はやっていたビルボードタイトル(胴体に社名を大書きする)を採用、尾翼は白面積が大きくなった分イエローとライトブルーが胴体まで流れてくるようになりました。現在は767を含め全ての通常塗装機がこのデザインに統一されました。
それでは本題へ。
JA07ANのエラー
JA07ANではごくわずかながら他機とは異なった箇所を見出すことができます。
まずはロゴです。少しズームしてみましょうか。
ここで2023年からAIRDOが順次那覇や済南で主翼と胴体の塗装を全て剥がし、再塗装する「フルリペ」と筆者が勝手に呼んでいる整備を受けていることを背景として追加しておきます。後にこの語をボソッと使うはずなので。
(フルリペを受けた機体にはソラシドエアとの共同持株会社である「リージョナルプラスウイングス」のロゴ=以下R+ロゴが入る)
この機体もフルリペを受けて活躍しているわけですが、ロゴに少しクセがあります。
それは
・フルリペ前とほぼ同じロゴサイズのまま
である点。
は、当たり前じゃないのかそんなの、というのが率直なところですがどうもこの頃はロゴをなんとか目立たせようとしているようで少し太くなったりデカくなったりという動きがこのフルリペを機に生まれて来ています(エアドゥにそのつもりがあるかは不明)。
737-700の場合は各機を参照するに少し縦横比をデカくするのが「主流」のようです。機体によって少々パターンは異なるのですが、ここを追い始めるといつまで経っても終わらない(本当はこの記事も全機調査をやる予定だったが従来の整理方法では限界があり整理分類を繰り返し4ヶ月かかってさすがに疲れて断念)ので、また余力のある時に見ておきます。
せっかくなのでデカくなった場合はどうなるのかを比較図にしてみます。
比較相手にJA11ANに登場していただきました。
JA07ANの場合は少々高さがついた以外は変わっていないので限りなくオリジナルに近く、よってこれをフルリペ前の標準と読み替えて欲しいわけですが、それとしたのJA11ANでは"AIRDO"の"O"の横に窓がどう接しているかに差異が見出せます。
JA07AN以外はフルリペ以降は"O"の右側は窓を引っ掛けるようになったんですね。これは"D"が少し横比率が伸びた関係で押し出されているからです。逆にいうとJA07ANだけは旧サイズベースなのが不思議なんですね。
エラーを題してしまいましたが、これに関してはエラーと言っていいのか...
まあでもJA460Aは旧ロゴサイズであることを以前別記事でエラーと道破しましたのでこれもエラー扱いでいいかなと思います。
─あ、ご質問ありがとうございます。ふむ、ああなるほどまだリペってない機材はいるか、ですね。
これはJA16ANですね。この人はまだしぶとくリペなしで生きてまして、ただまあだいぶ褪色してるので後どれほど持つかは分かりませんね。そうそうこれはまだ当然リペ前のロゴですんで、JA07ANに近いロゴを持っています。
─「北海道の翼」タグラインはフルリペ有無に関与しないか、ですね。これは「しない」です。
あのタグラインはステッカーなのかペイント記入なのか分かりませんけどもフルリペよりずっと前から入ってるのでね。
位置的観点から見れば傾きや高さがばらついてるので比べてみると面白いかもしれないですね。
さて、ロゴの話が随分と長くなりすぎたのでそろそろ最後といきましょう。
・Vスタペイントのズレ
これはJA07AN特有の、かつリペ後に初めて出たパターンなのでエラーと言い切っていいと思っています。
比較のためにJA11ANの尾翼にも並んでもらいます。
一見同じなんですが、まず小さいところから。
ドーサルフィン(Vスタ付け根の角度が緩くヒレのようになっているところ)とVスタの境目にあるアクセスパネル付近のイエローラインの通り方です。
←JA07AN JA11AN→
通常の機体ではこの最も胴体寄りのアクセスパネルは黄色と白なのですが、JA07ANはほぼ真っ黄色です。
少し塗り分けラインが低いんですね。まあこれは置いとくとしてもより分かりやすいのがこれです。
JA07ANは"D"と水色のカーブが接しています。通常は右写真の通りDのカドは水色とは離れています。
考えるべきは水色とロゴどっちがずれているのか、ですよね。
これは幸いアクセスパネルの宝庫なだけあって水色のラインの方がずれていることがすぐに判りました。
この部分だけ少し大回りになっているだけなので他の箇所は大きく変わりありません。
以上、JA07ANのエラー塗装でした。
<余談>
ドアアウトライン
ここ数年調査のテーマに上がっているのがドアアウトラインです。
ドアアウトラインというのはドアの周りを線で囲ってるあれのことです。
そもそも調べても調べても名称が判然としないので一旦「輪郭線」の直訳を使って「ドアアウトライン」と名付けることにしたのです。
以前書いた「大解剖737-800」では(もしかしたらまた別記事かも)旧新の2種類を紹介しましたが、最近の(個人的)調査でどうやら新にも2種類あることがわかってきました。PBBが接触するためドア下部を保護するスカフプレートという金属部品が設置されていますが、これを基点に見た時アウトラインのカーブ加減が上に示した2枚では異なるのが見て取れます。
こちらはエアドゥに限らず散見されるので、いつか再整理しようとおもっています。













