「関空にやってくるエアライン」を書いて丸1年が経過しました。1年前とは比べ物にならないほど世界各地の国境間移動が再開され、多くのエアラインが運航再開や就航を果たすなどしました。ある程度は前の記事でも追加更新していましたが、情報がごっちゃになってしまったので今回新たに紹介することにします。

ちなみに今回は読みやすさ向上の一環として世界の地域ごとに紹介し、各エアラインの情報量を少し減らしてみます。それではお楽しみください。


 

欧州・中東

エールフランス

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BAとタッグを組んで欧州有数の連合体を形成するエールフランスはA350または789でパリへの直行便を週5便のペースで運航中です。772や77Wで運航される日も散見され需要の高さが伺えます。

 

KLM

世界最古のエアラインの一つ、KLMは週2ペースで首都アムステルダムへのソウル経由便を運航しています。機材は789を中心に場合によって772または77Wが投入されます。


 

フィンエア

日本から最も近い欧州の玄関口ヘルシンキを結ぶフィンエアは長らくの運休を経て現在は週3便を運航しています。運休前はA333を併用しつつ深夜発便も運航していただけに今後どれほどの回復を見せるか楽しみな存在です。

 

ルフトハンザ

売上はアメリカン、デルタ航空につづき世界3位を誇ります。関空ミュンヘン線はコロナ禍により長らーく運休していましたが、2023年夏ダイヤより週3便のみではありますがA359によって再開しました。

 

エミレーツ

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目的地としての需要よりも、経由地として重宝されるドバイへの直行便を毎日運航するエミレーツ。夕方ごろUAEの国旗を尾翼にはためかせながら到着するシーンはもはや見慣れた光景となりました。現在は77Wによる運航ですが、A380での運航実績もあることから需要の回復の具合によってはA380の復活もありえるかもしれません。

 

エティハド航空

長らく成田と中部のみに就航してきたエティハドは2023年10月から関西線の運航を開始しました。

エミレーツとは違い、昼前には到着しますが、上がりは夕方なのでそれまでしばらく昼寝することになります。

機材は787-9で、もしかすると787-10投入の可能性もあります。
 

カタール航空

長らく運休が続いていたカタール航空は、少し前から就航させていた貨物便に続いてようやく旅客便を再開させました。

機材にはA350を抜擢、欠航時の救済などイレギュラー時に35Kが投入される場合もあります。

 

アメリカ(グアム含む)及びオセアニア地域

ユナイテッド航空

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アメリカに本社を構える会社で旅客キロ基準では世界最大規模を誇ります。現在は毎日1便サンフランシスコ線をB772にて、グアム線をB737-700または800にて運航しています。

 

ジェットスター

豪州最大のLCCでオセアニア各地だけではなく、アジアやホノルルなど幅広く飛来します。関空ではケアンズ線が飛来しており、B788で週5便が運航されています。

 

ハワイアン航空

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米国、ホノルルを拠点とする航空会社で関空には週6便が日本では珍しいA332の運航で飛来します。日本では他に成田にも飛来します。

 

エアカナダ 

カナダと大阪を直行で結ぶ唯一の足。就航当初はリゾート路線を運航するエアカナダルージュが767を投入していたものの、途中から本家による787-8での運航にシフト、運休を挟んで787-8または-9による運航に切り替わっています。
 

アジア(東アジア)

中国国際航空

かつての中国民航が分割された際の国際線部門だったのが中国国際航空。しばらくは運休状態が続いていましたが、ようやく運航再開が発表されました。塗装は基本的に民航時代のものを引き継いでいます。胴体に書かれた筆書体のタイトルは鄧小平によるものと言われており、尾翼の鳳凰もよくみるとVIPと書かれているなど、シンプルながら大変こだわりのあるデザインです。

 

中国東方航空

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上記中国国際航空が旧中国民航の国際線部門を引き継いだ一方、国内線を担当していたのが中国東方航空でした。現在は国際線にも進出し現在の関空にはA321に混じってA330なども上海線を中心に姿を表します。

 

中国南方航空

中国南方航空にとって最初の国際線就航先である関空線は、最近まで運休が続いていたものの2023年の夏スケから運航再開の運びとなりました。

737やA320ファミリーを中心に、主要路線の広州線はA330など大型機が投入される場合があります。

 

上海吉祥航空

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中国の上海を拠点としている航空会社で2005年に設立、現在はB787-9またはA321、A320が飛来しています。上品なチャイナレッドが特徴で、牡丹など花を描いた特別塗装機も多く存在します。

 

天津航空

海南航空を母体とする海航グループで天津をベースとする天津航空は、しばらく運休していた関西線を復活させました。
機材には長距離路線対応のA330を投入、ビジネスクラスもある本格的なコンフィグにより同社の特徴である「高品質低価格」のサービスを提供しています。

 

 

春秋航空

LCCが初めて日本で設立された際によく引き合いに出されたのがこの春秋航空。元々は春秋旅行社を親会社にもつエアラインで、デザインのマイナーチェンジを重ねつつA320で運航を継続中です。

 

山東航空

一時期は成田・セントレアに就航したものの基本的に関空でしか見られないエアラインの代表であった山東航空は、数えきれないほどの737-800を擁して週1往復の青島線を運航しています。

 

深圳航空

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無錫など経済特区周辺エリアへの便を多く持つ深圳航空は737またはA320で週一往復ながら関空路線を再開させました。A330など大型機も有するエアラインですが、いまだに飛来歴はありません。

 

上海航空

中国東方航空との統合でアライアンスをスカチーに変えるなどの動きが見られた上海航空。関空線の歴史は古いながらもA330や787が飛ぶ東京とは異なり737-800で運航が続けられています。

 

厦門航空

一時期の運休期間を経て2015年に運航を再開した厦門航空は爽やかな塗装の737-800で毎日飛来しています。成田線は2018年から787での運航が続いているものの関空には飛来する気配は微塵も見られません。

 

長龍浙江航空 

2019年に就航するや否や運休を余儀なくされた新参浙江長龍航空はようやく運航を再開し杭州路線を週4往復でA320/A321によって運航しています。

 

四川航空

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歴史の長いエアラインである四川航空はここ数年でようやく日本路線を解説しました。当初はA330での運航だったもののA320に小型化、現在はA321がメインで飛来しています→高需要時はA330での運航事例あり。

 

海南航空

中国国内に数々のグループエアラインを持つ海航グループの代表エアラインが海南航空。実はかつて関空路線を運航していたのですが、2000年代初頭に運休、以後2019年に復活するまでは関空はおろか日本そのものに就航していない時期が続いていました。

2015年ごろの日中間インバウンド需要によって成田線を再開、付随する形で関空線も再開しました。基本は737-800による運航です。

 

北京首都航空

ビジネスジェットでお馴染み金鹿公務の旅客部門、金鹿航空が改名した海南航空系列エアラインです。当初はA319での定期チャーターでしたが現在はA320による杭州線を開設しています。大型機も有するエアラインだけに機材の大型化も楽しみです。

 

九元航空

上海吉祥航空傘下のエアラインで、関空には夜便のみ飛来します。

色が何色もあり、どれが当たるかはお楽しみです。

 

青島航空

山東航空の資本が入る青島航空は、茨城などのチャーター運航を経て関空に社名に冠する通り青島線を開設。A320neoで昼間に到着する運用になっています。

 

大韓航空

元々官営だったエアラインですが早期に民営化、現在は仁川、金浦の2路線を運航中です。

日本と韓国は距離が近いことから長距離用の機材が(特に仁川線においては)間合運用で飛来することも多く、柔軟な機材運用の姿勢を垣間見ることができます。

 

アシアナ航空

韓国第二の規模を誇るアシアナはA330・A321を中心に777などを併用して毎日仁川・金浦線を運航中です。大韓航空との合併が報じられ今後の動向が気になる次第ですが、そんなことよりロゴの大きさが違う機体が存在するので見かけた際には必ず撮影・記録の上比較してみてくださいね。また塗装はチマチョゴリをイメージしたものと言われています。

 

チェジュエア

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日本に就航した最も初期のLCCで、韓国各地への直行便を運航しています。機材は737-800に統一されており。適宜新しい機材を導入して古い機体と入れ替えています。2015年から始まった新CIの導入もほぼ完了。見慣れたウインクマークの終焉はもうすぐそこです。

 

ジンエア

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大韓航空傘下のLCCとして設立されたジンエアは、親会社と同じ区間に就航して利用者がLCCとフルサービスのいずれか好きな方を選べるような路線展開をしているのが特徴です。またLCCには珍しく777を保有、長距離路線のほか高需要の日本路線にも投入されています。

 

ティーウェイ航空

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2004年韓星航空として創立、2011年の福岡線開設で日本進出と勢力を拡大してきた韓国のLCC、T'way。ティーウェイ航空と読みます。関西就航は2015年とかなり最近で、仁川、釜山、大邱の韓国線3路線に加えグアム線にも進出しました。現在は需要減退につき仁川を1日1往復する運用となっています。一時期は発着ターミナルを春秋、チェジュに続いて3タミに移していたものの、現在は再び1タミでの運用に戻っています。T'wayといえば長らく737のイメージでしたがA330も導入、長距離路線の合間に関空便でも運用されています。

 

エアプサン

アシアナ傘下のLCCで、錦湖グループの一員です。朝鮮半島南部の都市釜山の名を冠し、比較的早いうちから関空へ就航しています。

当初はA321とA320の混成フリートだったものの、現在A320はほぼ淘汰されA321またはA321NXで統一化が図られています。

 

エアソウル

アシアナグループのLCCで名前の通りソウルをベースとするエアラインです。エアプサンと違い機材はA321に統一、比較的小規模ながら近距離国際線を運航しています。尾翼に描かれているのはソウルの山と川のイメージなんだとか。

 

エアロK

韓国キャリアでは珍しいA320を使用したLCCで、現在清州をに往復するスケジュールで運航されています。左右非対称のデザインが特徴的で、競争の激しい韓国でどれほどの勢いを見せるかに注目です。

 

イースタージェット

以前はお馴染みだったものの経営危機で日本路線を当面運休(エアライン自体全便運行停止)の危機にあったイースタージェット。30機近くが飛んでいた737-800は現在4機に、またわずかに2機が飛んでいた737MAXは機材を全て入れ替え現在は4機を運航中です。LCCによくある塗装の迷走も落ち着いています。

 

キャセイパシフィック

ワンワールド加盟の航空会社でアジアでは非常に大規模な航空会社となっています。B77W及びA359、A350-1000による運航がなされています。現在は週24往復という非常に高頻度な運航がなされており、香港線の需要の高さが伺えます。

 

香港航空

2001年に設立された航空会社で東南アジアや東アジア各国に就航しています。一時期は経営破綻が危ぶまれましたが、現在は毎日2便がA333によって飛来しています。

 

香港エクスプレス

長らく運休が続いていましたが、A320による週1往復の香港便が復活しました。

当初は香港航空のコンフィグのまま運用したり、エンジンも複数種が混在していたのですが2014年頃から塗装の刷新、コンフィグやエンジンの一本化が進められ現在はA320とA321の2機種に絞って運航中です。

 

大灣區航空 

香港エリア最新のエアラインが大灣區航空。香港エリアには珍しい737-800を用いて週3往復を運航中です。

当初は3機という小所帯でしたが時間をかけて7~8機にまでフリートを増やし日本各地に就航しています。

 

澳門航空

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一時期はA300による貨物便なども運航していたマカオですが、現在はA320によって週4往復が運航されています。特徴的な紺色に鳩(?)のマーキングは息が長く、午後の始まりを象徴する存在だとも言えます。

 

チャイナエアライン

伊丹に国際線があった時代からの古参エアラインで、現在は台北線を毎日運航しています。日台路線は日韓路線に次ぐ大動脈であるので、運航機材も近距離ながら777、A330など大型機による運航が続けられています。

 

エバー航空

海運大手エバーグリーンの航空部門であるエバー航空は、運航開始当初からANAと提携するなど日本に縁の深いエアラインです。チャイナエアラインが多様な機材で運航しているのに比べて787を多用した比較的変化の少ない機材運用が特徴です。

 

スターラックス 

台湾のエミレーツを名乗り高品質なサービスを提供しているスターラックスはA321での運航開始から1年でA330を投入、最新A350での運航も見受けられるなど堅調な様子です。

今後の運航規模拡大に期待したい1社です。

 

タイガーエア台湾

チャイナエアラインのLCC部門として数多くの日本路線を有するタイガーエア台湾。社名に冠するタイガーエアそのものはスクートと統合したもののこちらは引き続きその呼称を使用し続けており、A320またはA320neoで毎日運航中です。

管制上のコールサイン「スマートキャット」が愛称として使われている場合もあります。

 

アジア(東南アジア)

シンガポール航空

1947年就航の航空会社で関空にはA359及びB78Xにて毎日2便が運航されています。経由地として人気なシンガポール行きということもあって高頻度かつ近年の感覚で言えば大型機での運航がなされています。

 

タイ国際航空

タイ王国のフラッグシップとして高い人気を誇ります。関空にはB77WまたはA359で1日2便がバンコク線で飛来しています。関空以外にも日本各地に飛来しておりお目にかかる機会も多いはずです。

 

フィリピン航空

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毎日2便がマニラからA321-200にて飛来しています。在日フィリピン人、フィリピン観光者に支えられ、関空線は堅調なように思えます。

 

マレーシア航空

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マレーシア航空はA330を中心にA350も交えつつクアラルンプールへの直行便を飛ばしています。Negaraku塗装機も多く存在するため、高確率で遭遇できます。

 

ベトナム航空

ベトナム最大の航空会社で、関空からはホーチミン及びハノイ線が毎日飛来しています。B789による運航が基本で稀にA321が入ることもあります。

 

スクート

LCCとしては珍しくB787オンリーでの運航を行っています。現在は台北経由シンガポール線が毎日運航されています。本拠地シンガポール近辺の短距離路線を運航していたタイガーエアと合併し会社名は「スクート・タイガーエア」となったもののブランドとしての「スクート」は存続していてATC上のコールサインも引き続き「スクーター」が使われています。

 

セブパシフィック航空 (photo:いかるが)

セブパシフィックはフィリピンのマニラを拠点とする航空会社で、フィリピンで最大のエアラインとなっています。マニラ線の他セブ線がA320かA321での運航です。

 

フィリピン・エアアジア

2022年11月よりマニラ線の運航を再開しました。日本飛来のエアアジアグループでは珍しくA320による運航を行っています。

 

タイ・エアアジアX

コロナ禍では完全に運休していましたが現在ではバンコク線を週11便で運航しています。機材はA333を使用しています。関空バンコク線は計4社週32便が運航され、幹線路線となっています。

 

タイベトジェットエア

2023年1月よりタイ第二の都市であるチェンマイと関空を結ぶ路線が開設されました。チェンマイからの日本直行便は初設定で注目を集めました。現在は週4便がA321にて運航されています。

 

ベトジェットエア

ベトジェットは2007年に設立されたベトナムでは初の民間航空会社です。関空ホーチミン線1日1便及びハノイ線が1日2便の運航となっています。

 

エアアジアX

A333を使用し中距離国際線を運航している航空会社です。以前はホノルル線も運航していましたが現在はクアラルンプール線に限って週4便の運航となっています。

 

バティックエアーマレーシア 

2023年に関空就航を果たしたLCCで機材はB737MAX-8を使用しています。クアラルンプール線ですが途中台北を経由します。他の東南アジア路線は朝到着がメインですが、台北を経由するため昼前の到着なのも特徴です。

 

ジェットスターアジア 

本家よりも遅れて復活を果たしたジェットスターアジア。オレンジライナーにはない本家よりの旧デザインを多数見ることができます。台北経由でのシンガポール線を運航しています。最近までは需要減退で少ない機数での運航が続いていたものの少しづつ元々運航していた機体が復帰し元の体制に戻りつつあります。

 

ターキッシュエアラインズ

 

こちらも長らくの休眠が解けて復活した路線で、乗り継ぎ拠点としてのイスタンブールを活かした旅行社のプランに多く利用されている路線です。A330に代わって787-9による運航で、少し撮影しづらい時間が設定されています。


 

世界の入国制限はほとんど撤廃されたと言っても過言ではないと思います。今後も関空に様々なエアラインが就航することを祈っております。