ハイハイ、13回忌に行ってきましたぉー!

100回忌の人とかいるんですねビックリこいたぉ。



ユウの故郷は新潟県だ。

イギリスでは日本は日本で、県市区町村というものを考えたことが無かった。

母は日本語に堪能で、日本の本もたくさん家にあったけど、父親のことには触れられなくて、地理的なことも口にすることは無かった。

父といえば子供向けの絵本を作る人、ということだけしか知らなかった。

「トレインショップ新しくなってるな。」

ユウが座席の前に挿してある冊子を手に取った。

JRは電車内に通販カタログを置いている。

日常生活が便利になるようなアイテムを揃えていて、ユウはこの通販カタログが好きなのだ。

通販カタログと言えば、彼の母親は通販カタログは見ないけれど、僕と彼の父親は通販カタログが大好きで、帰省した時に読んでいる姿を度々見かけた。

「父さんのお土産にしようよ。あとで僕の鞄にいれとくね。」

熟読に入るユウに声をかけると、生返事が返ってきた。

「…おーぅ…。」

綺麗な横顔を眺めながら、ユウの美丈夫ぶりを堪能する。

こんなに男らしくて美しい男性が僕の兄だなんて、凄くラッキーなことだ。

通った鼻筋から麗しい唇の曲線、そして女性を思わせる輪郭だけれども、ちゃんと男だと分かる顎。

「はーぁ…。」

美しさに見とれて、思わず感嘆の溜息を漏らしたら、ユウが突然前の席に挿してあったメニュー表を手に取った。

「変な溜息ついてんじゃねえ…。これでも読んでろ。」

ベシッ!と顔に押し付けてきた紙を手に取ると、車内販売のメニュー表だった。

「へーえ…何か美味しいものあるかなあ。」

ソフトドリンクやジュース類、ビールなどのお酒類、他には東京名物や新潟名物のお土産品の名前が載っている。

「あ!にいにが好きそうなグッズが売ってるよ!」

トレインショップから顔を上げて、ユウはめんどくさそうにのっそりと僕の持っていたメニュー表を覗き込んだ。

「ほら、昔の上越新幹線ストラップだって。まっずい冷水がタダで飲めたって言ってた新幹線だよね?」

「あの冷水も喉が渇いてる時はすっげー美味いって思った…。」

懐かしそうに話すユウがしんみりして見えたので、話題を逸らそうと思ったら彼の方が話しかけてきた。

「モヤシ、見ろ。」

差し出されたトレインショップを見ると、小さな洗濯機を指さしてきた。

雑巾や運動靴、予洗いをする為の小さな洗濯機だ。

「これいいと思わねえか。」

きたきた…。

ユウはこういう変なものに弱いんだ。

「洗濯機ねえ…。」

通販カタログという形での車内販売はけっこう儲かるだろうな…。

前回は便利そうな皮の小物入れだった。

ユウのキラキラとした瞳を見て、アレンは巧妙な車内販売に感心するのだった。


妄想(='ω')人('ω'=)徒然-jyouetusin

そうですね…200系もう居ないのですぉ…。

あの冷水美味しかったんですぉ…。

はい!忙しい!いや、誰でも忙しいって。

なんてったって独身働き盛りだしNA★(←負け犬の遠吠え。)



妄想(='ω')人('ω'=)徒然-nyu-jya-man1

ユウは初めて有給休暇を貰ってみた。

それもこれも、全て弟の機嫌を取るためだ。

先月のバレンタインデーは散々な日だった。

残業で玄関前の片づけを全て弟に任せてしまい、お菓子作りが趣味の上司からのプレゼントを持って帰り、当然だがモヤシの怒りが爆発した。

上司は男で家庭があって、手作りクッキーは職場の人間全員に配っていることを懇々と説き、女からのチョコレートは全て捨ててきた事も長々と話した。

本当に珍しく、モヤシは聞き分けや分別がどこかに消え去ったように、何度も何度も「どうして?」「なんで?」「わかんないよバカ!」の繰り返しだった。

何でかは分かる。

モヤシが怒り狂う理由もよく分かる。

モヤシ以外の人間のバレンタインプレゼントを受け取ったことが問題なのだろう。

さすがに部長の好意を断ることもできず、そのまま持って帰った自分がバカだった。

「あー…クソっ…。」

全ては部長のクッキーを捨ててくれば、モヤシの機嫌が一月も悪いままにはならなかった。

部長のクッキーは美味しかった。

可愛い愛娘に手作りオヤツを毎日準備して家を出てくるそうだ。

良い上司なのだ。

ユウは皿を台所のテーブルに置いて、買ってきたバラ型のケーキを乗せた。

そろそろモヤシが大学から帰ってくるのだ。

沸騰した湯を湯飲み茶碗に注いで、残りを保温ポットに入れる。

保温ポットをヒョイと持って居間に向かい、卓袱台にポットを置いたと同時に、玄関から弟が元気なく入って来た。

「だたいまぁー…。」

彼は家に誰も居ないと思っているのだろう。

つぶやくような「ただいま」からそれが伺える。

「おう。おかえり。」

居間からモヤシに声をかけると、ギョッ!としたようで目を丸々とさせて玄関で硬直していた。

「にいに!おどろいたよー…。今日はお休みだったの?」

トテトテと軽い足音をさせて、モヤシは自室に入って荷物を置いている。

その間に、台所にあるケーキを皿に載せて居間に運んだ。

彼は喜ぶだろうか。

しゃがんで卓袱台に配置していると、台所の方からモヤシの声がした。

「ユウ、お茶もっていくねー。」

盆を持って入って来たモヤシは、卓袱台の上を見て再び目を丸くした。

「…。」

口を開けて卓袱台の上にあるケーキを見ている。

目を丸くして口を開けて驚くモヤシから、お茶の載った盆を取り上げて畳に置いた。

「…食える花だ。」

鎌倉ニュージャーマンは薔薇を模ったケーキを期間限定で出していた。

店員曰く、ストロベリーチーズケーキの方は午前中で売り切れることもあるそうで、モヤシに食べさせる為には午前中に手に入れる必要があった。

上司に頭を下げて、2週間前になって有給休暇を申し入れたが、日付が日付だけに死ぬほど恥ずかしかった。

有給の理由はしごく尤もな理由をこしらえたが、本当の理由が理由だけに情けないやら恥ずかしいやらで、居た堪れない気持ちだった。

モヤシの大きな目がウルウルとして、涙でいっぱいになっている。

頼むから泣かないでくれ…。

ユウは内心で激しく焦りながら、弟の一挙手一投足を見守った。

「ゆう…、ユウ~…!」

ギュウッ!と首に抱きついて、ボロボロと泣き出した。

「ごめんなさい…、僕…我が侭してごめん…ユウ…。」

顔を上げてニャアニャアと喚いたと思ったら、唇がふさがれた。

「んむむ…っ。」

ハムハムと優しく唇を合わせてくるモヤシを抱きとめて、一月ぶりのキスを味わう。

長々と数分もしてから、ようやくモヤシの唇が離れて、涙が止まった目と見詰め合う。

「ごめんね…。本当は、仕方ないことだって分かっていた…。」

「…泣くなよ。お前に泣かれると堪えるんだ…。」

モヤシはニコッ!と本当に可愛い笑顔を見せてくれた。

久しぶりの笑顔に胸が熱くなる。

「ケーキ食うぞ。」

「あーっ!僕、ピンクの方がいい!」

モヤシが上機嫌でストロベリーチーズケーキの前にベタッ!と座る。

ユウはモヤシの現金さを笑いながら、チーズケーキの前に腰を下ろした。



妄想(='ω')人('ω'=)徒然-nyu-jya-man2

白も食べたZE….+('д')