対魔導学園35試験小隊1.英雄召喚
魔力を持つ人間が滅びようとしている世界――武力の頂点の座は剣から魔法、そして銃へと移り変わっていた。
残存する魔力の脅威を取り締まる『異端審問官』の育成機関、通称『対魔導学園』に通う草薙タケルは、銃が全く使えず刀一本で戦う外れ者。
そしてそんなタケルが率いる第35試験小隊は、またの名を『雑魚小隊』と呼ぶ、劣等生たちの寄せ集めだった。
しかしある日、『魔女狩り』の資格を有する超エリートの拳銃使い・鳳桜花が入隊してくる。
隊長であるタケルは、桜花たちと魔導遺産回収の任務に赴くのだが――。
甦る『英雄』を地に還すのは少女の銃か、少年の剣か!? 学園アクションファンタジー!!
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魔女と人類との戦い『魔女狩り戦争』によって人間の数は10分の1にまで減ってしまった。しかしながら、人類は150年の時をかけて社会再建を果たし、更なる技術発展を目指して日々を過ごしていた。
魔導遺産や魔女に関する案件を請け負う組織、異端審問会。鳳桜花は異端審問会の『魔女狩り』として問題解決に奔走する日々を送っていた。突然の呼び出しを受けて理事長室を訪れた桜花。学園の理事長、異端審問会会長にして父でもある鳳颯月より告げられたのは「魔女狩りの資格剥奪」という言葉だった。桜花は魔女狩りとして復帰するため、颯月に従い学園生活を送ることを決意する。
そんな異端審問官育成期間である対魔導学園には、変わり者が集まったことで有名な35試験小隊と呼ばれるチームがいた。
隊長、草薙タケルはうさぎや斑鳩らと団員たちと共に、楽しく学園生活を送っていたのだが、桜花がこの35試験小隊に入団させられたことで、彼らの生活は変化することとなる。
魔女に家族を殺されたというなら分かりやすいが、魔女に体を操られ、家族を殺すことを強要されたとか……酷すぎる。そんな辛い過去を聞かされたら桜花の復讐心にも納得してしまうな。
魔法と銃が広く扱われる世界で主人公草薙タケルは一人、時代遅れの武器である剣のみを手に戦う。
草薙流剣術の禁じ手『掃魔刀』使用者の思考速度を格段にあげるが、その分反動も大きい。掃魔刀発動下では身体への負担も半端ではなく、動かそうとするだけで腕が、骨が軋み悲鳴をあげるほど。そのリスクを負ってまでもタケルは掃魔刀を使うのをやめない。
レリックイーター、魔女狩りにのみ使用を許されるその力をタケルは手にする。ラピスと契約したことで生き返ったタケルは立ち上がり、英雄を倒すべく再び戦いに身を投じていく。
掃魔刀についていけなかった身体がラピスの力で強化されたことで、頭脳・身体共に強化されたというわけで。ピースがかちりとはまったような強さ。ご都合主義とか言われるかもしれないけど僕は全然ありだと思う。あとタケルいいやつだなあ、と。キレたときのギャップも含めて良い。
生徒たちを自分の目的、タケルとラピスの契約成立のために利用した理事長、鳳颯月。気に食わないし許せねぇ……! これいつかタケルとやり合うときが来るんじゃなかろうか。
学園へ迫る英雄の脅威。それを阻止しようと少数の騎士団や生徒たちが立ちふさがるも、一瞬で消し飛ばされる。そんな状況で桜花は単身、英雄と対峙する。が、しかし健闘も虚しく、英雄の一撃で瀕死の状態へ追い込まれる。そんな絶体絶命の桜花の元にタケルが駆けつけ――?
英雄とのバトルは滾ったなあ。雑魚小隊だと揶揄され馬鹿にされてきた彼らが皆を見返すように、メンバー同士協力して支え合いながら英雄と戦う姿に胸が熱くなった。仲間を想う気持ち、その大切さを見せつけられたような気がする。自らの身の危険を顧みず桜花を守ろうとするタケルかっけぇ……!
うさぎちゃんはおっぱい、じゃなかったツンいじられキャラって感じで可愛いなーうへへへ。ペットに欲しい。
今後は当面、魔女の復権を目論む組織『幻想教団』との戦いが描かれていくのかしら。敵勢力もまだまだ謎に包まれているからそこら辺も明かされていくことを期待しつつ。