「ノーゲーム・ノーライフ4 ゲーマー兄妹はリアル恋愛ゲームから逃げ出しました」感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

ノーゲーム・ノーライフ4 ゲーマー兄妹はリアル恋愛ゲームから逃げ出しました
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ゲームで全てが決まる世界【ディスボード】――魔法や超能力を駆使する数多の敵を相手に連戦を重ね、なおも無敗を貫く最強ゲーマー兄妹『 』、だがそんな二人にもクリア出来たことがないゲームが、実は"二つ"だけあった……。東部連合で優雅な休暇を満喫する二人を訪ねてきたのは、吸血種の少女・プラム。種の危機を救うことになった空と白だが、そのゲーム内容はまさしく二人が未クリアのゲームの一つ、「リアル恋愛ゲーム」だった――青い海を舞台に、咲くか恋の花! 今回はラ~イトに行く、大人気異世界ファンタジーのラ~~イトな、第四弾……?

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東部連合との戦いに勝利し、ひとまず獣人種と共闘関係を築くことが出来た人類種。
空たちに束の間の休息が与えられる――こともなく、彼らの前に新たな問題が転がり込んでくる。その問題を持ち込んできたのが吸血種の少女・プラム。空たちの前に現れた彼女は、吸血種に種の存続の危機が迫っていることを今にも死にそうな体で切実に語る。そして、プラムは空に共生する吸血種と海棲種を救って欲しいと頼むのだった。

今回新たに登場したのは【十六種族】位階序列十二位吸血種と十五位海棲種。
十の盟約の発足によって他人を傷つける行為を行えなくなってしまったが故、他人の血を吸うことが出来なくなってしまった吸血種は衰退の一途を辿り、海棲種もまた似たような理由で危機的状況に陥っていた。
吸血種がしょうもない種族かと思ったら海棲種の方が遥かにアホだった…… なんだよ、自分達が滅びそうなことに気付かないって(笑)

海棲種の王女を目覚めさせるためにはリアル恋愛ゲーム、つまりは現実の恋愛とほとんど等しい行為をしなければならないという。空白兄妹がクリア出来なかった二つのゲームのうちの一つがリアル恋愛ゲームである。故に、その事実を知り空白兄妹は一度頼みを断るものの、チート、吸血種の幻惑魔法で王女を惚れさせることが出来ると知り、ゲームへ挑むことを決める。向かうは海底、海棲種の国『オーシェンド』だ。

海ではしゃぐ空と白……うわぁ、超似合わねぇ。かくいう僕も泳げない上に非リア充なので、海は好きじゃなかったり。
いのの不自然な土下座(正直笑っちゃったけど)でこれは何かあるな、とは思ってたけど、まさかあの恋愛ゲームの裏で、というかそれ以前から既に騙し合いが始まっていたとはね。空白の二人には驚かされてばかりだなあ。
それにしても、海を割ったり吸血種達の魔法を一人で破ったり、とジブリール半端じゃねぇな。位階の七位と八位の間には実力に大きな隔たりがあると今巻で説明されていて、下位種族とは桁違いなのにも納得。いやしかし、七位の天翼種でこの強さならさらに上位の奴らはどんな化け物なんですかねぇ……

今回は一際ステフに注目しながら読んでたような気がする。普段の扱いはアレだけど、ステフは決して馬鹿なわけじゃない。空たちと関わっていく中で成長し、ゲームの腕も段々と身についていく。
一般人代表というか、読者目線に一番近いキャラクターとして大事な存在。いやだって、いのを犠牲にしたことに対して憤りを感じた部分も多いに共感したもの。もしかしたら、作中のキャラの中で誰よりも優しい娘なのではないだろうか。

「――また来るぞ海棲種。"俺ら”をナメた代償――高くつくぞ?」
ここからは反撃のターン。目標はいのを海棲種から取り返しゲームに勝つこと。
最大の問題点である女王を起こす条件。それに関する情報を求め、空たちは天翼種の国、アヴァント・ヘイムに乗り込むことを決意する。
終盤のどんでん返し、盛り上がりっぷりは流石でした。次は天翼種の国からスタートか……楽しみだ。早く続きが読みたい!