「機巧少女は傷つかない1 Facing "Cannibal Candy" 」感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

機巧少女は傷つかない1 Facing "Cannibal Candy"
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機巧魔術――それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。その最高学府である英国ヴァルプルギス王立機巧学院では、人形使いのトップ「魔王」を決める戦い、通称「夜会」が開催される。そして今、二つの影が学院の門をくぐった。日本からの留学生・雷真と、そのパートナーたる少女型人形の夜々である。「夜会」参加資格を得るため、雷真は参加予定者との決闘によりその資格を奪おうとする。標的は次期魔王有力候補で、暴竜の異名をもつ美少女・シャル! しかし雷真が彼女に挑んだところ、思わぬ邪魔が入り……? シンフォニック学園バトルアクション!

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科学技術と魔術の融合、発展により、自動人形を使役する魔術、機巧魔術がメジャーなものとなった世界。
主人公、赤羽雷真は相方の自動人形、夜々を連れてヴァルプルギス王立魔法学院へとやって来る。目的は、人形使いのトップを決める戦い「夜会」への参加。そしてその頂点――魔王になることを目指す。

学院に来て早々のこと。雷真は複数人の人形使いに襲われていた少女、シャルロット・ブリューを助ける。彼女が“タイラント・レックス”と呼ばれ恐れられていることも知らず。
風紀委主幹のフェリクスより最近学園で起こっているという生徒の失踪・自動人形の破壊事件について聞かされる。フェリクスは夜会の参加資格を交換条件に、事件の犯人<魔術喰い>を捕まえて欲しいと雷真に話を持ちかける。

夜々かわいいよ夜々。雷真のことが好きすぎてヤンデレっぽくなってるところもいい。魔術機巧、術者と自動人形がペアとなって戦うってのがいいなあと思った。雷真と夜々の息の合いっぷりが素晴らしい。
赤羽雷真、下から二番目<セカンド・ラスト>と揶揄されるほどに学力は低いものの、その腕っ節と魔力は目を見張るものがある。いかにも主人公って感じの優しさが好印象だった。硝子さんにしてみればそこが弱さの原因らしいけども。
家族を、そして何より最愛の妹を殺され、果ては自動人形の素材にまでされた。その屈辱と怒りは計り知れない。しかし、復讐するためにはもっと強くならなければいけない。そこで選んだ舞台が夜会だったのですね。
シャル、完全にツンデレじゃないですかー!攻められると弱かったりところとか可愛い、萌える。

フェリクスの依頼を引き受け、雷真は一連の事件の犯人である<魔術喰い>探しに乗り出す。
シャルとその自動人形・シグムント。彼らが犯人なのか……?と思わせる場面も結構あったり、ハラハラさせてくれる感じで楽しかった。

複数の自動人形を同時に操ることができる特別な人形使いにして雷真の復讐相手、マグナス。初めに会ったときには全く歯が立たなかった雷真だけど、今後もっと成長して強くなって、夜会で再戦するんだろうなぁ。色々明らかになっていない部分の多そうな人物なのでそこらへんにも注目しつつ。
あとは学院に務める女教授キンバリー、ただの人間でないことはもはや明らか。一体何者なのか気になる。
気になると言えば、伝説の自動人形「雪月花」の製作者にして天才技師、花柳斎硝子さんもね。こちらもまた何を考えているのか読めない。

黒幕との戦いも熱かった。既に怪我を負っているという不利な状況であっても、雷真は諦めない。シャルを守るためにと彼女の前に立ちはだかる姿は本当にかっこよかった……!
例え<魔活性不協和の原理>で複数の魔法を同時に扱うことが出来ないとはいえ、様々な自動人形の力を取り込んだ魔術喰いの力は驚異的。相手は力技しかないと油断したのが魔術喰いの敗因だろう。なんだ、雷真ちゃんと頭も回るんじゃないか、と思ってしまった。三人が無事で何より。
ということで、これから始まる夜会での戦いも期待。