「大日本サムライガール 5」感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

大日本サムライガール 5
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「私はいつでも私であって、他の誰のものでもない」
左翼アイドル・槙野栞が加わり千歳と凪紗もアイドル活動を本格化させ、ますます活気づくひまりプロダクション。芸能事業が順調に推移するなか、日毬たち日本大志会は政権奪取に必須であるメディア対策のため、記者たちの“インナーサークル”設立に動き出す。一方、さらなる事業拡大を目指す颯斗は、国民的天才アイドル・片桐杏奈の移籍をめぐり、芸能プロの筆頭・西プロダクション相手に争奪戦を開始する!!
目的は政治の頂点、手段はアイドル——。至道流星の“政治・経済・芸能”エンタテインメント、知略縦横の第5巻!!

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日毬の看板番組「ひまりんプロジェクト」は栞が参加した事もあってか順調に視聴率を伸ばしていた。『きれいなネット政治推進協会』の宣伝の方も、ひまりプロダクションは引き続き行っていく。
そして次に手を付けたのは、メディア対策。日毬へ好意的な記者のみを集めてインナーサークル、勉強会をするような組織を作っていく。
今後こなしていく仕事について打ち合わせをしていた折、由佳里から、友人のドーナツ屋に人気を集めるためにメディアに手回しをしたい、と相談される。その話を聞いた颯斗はドーナツ事業をやってみるのも面白いのではないか、と感じ、ひまりプロダクションがその仕事を請け負うことを提案する。善は急げ、とばかりに佐歩の営むドーナツ屋へと下見に向かう。
ドーナツ事業、日毬や凪沙は食べる事が出来ないし栞ではイメージに合わない。かといって千歳ではパンチが弱い。そこで思いついた案が西プロダクション所属の国民的アイドル、片桐杏奈を起用することだった。颯斗は交渉の為に西プロダクションを訪れる。

栞のプロダクション加入歓迎会と日毬の誕生日会を兼ねて、レストラン貸切で会を開く。サプライズ的なのはやっぱいいよね。感動も一入。
ただ、なんていうかやってることがワンパターンというかローテーションな気がするのよね。一巻毎に新しくアイドルがひまりプロに加入、新たな事業に手を出す、歓迎会の流れは流石に飽きてきた。
国を作るのと日本の頂点を目指すのじゃ規模もやることも違うから、羽月莉音みたいなスケールを期待するのがそもそも間違っているんだろうけど…… 出来れば終盤にかけて、もっと物語が加速して盛り上がっていって欲しい。

片桐杏奈を巡って激しい争奪戦が繰り広げられる――!な展開になる思っていただけに、全然そんなことなくてちょっと残念。それにしてもひまりプロはどんどん大きくなっていくなぁ。
杏奈がひまりプロダクションに加入した後、ひまりプロダクションは御苑のオフィスビルに事務所を移転する。
日本大志会の党員三万人突破はすごいと思う。世間には完全に日毬のファンクラブとしてしか認識されていないだろうけど、それだけ人気ってことだからね。
杏奈の元マネージャー森さんの扱いがぞんざいで、見ていてちょっと可哀想だと思った(笑) 千歳に続く残念、もとい空気キャラになりそうな予感。
杏奈の「一癖ある」の指摘で壮司の裏切りがより濃厚になって来た感じ。一体何を企んでいるのやら。

以前の日毬ならば政党や公安から、手を貸してくれ、仲良くしよう、など頼まれても一蹴していただろうが、色々なものを見て学んで来た今の日毬は違う。向こうはこちらを利用したいだけと分かった上で、こちらも相手を利用する。そうすることがより早く、日本の頂点を目指すことが出来る近道になるのではないかと思い、返答に悩む。
民政党、自友党、公安と各所からのラブコールに日毬はどう答えるのか? そしてアメリカ大使館に呼ばれた意図とは? 続きが気になる……!