「のうりん 4」感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

のうりん 4 (GA文庫)/ソフトバンククリエイティブ
¥651
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Q.
士(つかさ)姉さん、こんにちは。ぼくはアイドル好きの高校生です。
どうすればアイドルと結婚できるんでしょう?(K・H 岐阜県)
 
A.
農家へ行け。
オマイは一刻も早く現実を見るべきじゃ。夏休みを利用して農村へ戻れ。
戻ってアイドルのことなど忘れて、幼馴染みと結婚しろ。そして子供を作れ。
十人くらい作れ。家庭を持って妻や子供のために必死に働けば、
そのうちアイドルのことなんてどうでもよぉなる。
つべこべ言わずにさっさと帰って来い!!
 
――耕作と農、遂に結婚!? 林檎はどうなっちゃうの!?
農村の光と影を描き出す第4巻! 読めば絶対田舎へ行きたくなる!!
 
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海外研修へと向かう継と良田さんを見送り、耕作は故郷である愛生村へと帰省する。農と林檎を連れて。
愛生駅へと到着した耕作たちを迎えたのは、農の姉、士だった。そして士から聞かされる「結婚式」のワード。そこで農が何故か若旦那を連れてきたこと、落ち着かない様子だったことに合点がいった耕作。
軽い気持ちで送ったメールがきっかけで、なんと農と結婚するという話が村中に広められていたのだ。士が考案したグリーンツーリズムと婚活を合わせたツアー。そのイベントの一環として大々的に結納、結婚式を行うという。引くに引けない状況に立たされた耕作が取った選択肢とは……?
 
優勝賞品のプラズマテレビ目当てに美濃田茂ロックフェスに参加したり、台風から作物を守るために奮闘したり。平気で遊んでるけどこれ台風の真っ只中ですよね?と疑問に思ったのは僕だけじゃないはず。
 
妊娠騒動は……農が若旦那を連れてきたのがバレたときから気付いてましたよ、えぇ。イベントにかこつけてすっかり妻気取りの農とそれを断固として認めない林檎。この二人が耕作を取り合って、終始メラメラと炎が燃え盛る。間に挟まれる耕作も大変だなー(他人事)
フェイクのはずなのに、あやうく本当に初夜を迎えそうになるくだりも面白かった。農のお父さんお母さん、二人を部屋に閉じ込めるとか本気すぎる……(笑) 工と商がいなかったら完全にアウトだっただろうな。耕作よく耐えた、君は偉い…!
 
農業と村の将来について真剣に考える林檎は本当に出来た娘だなぁ、と。農協に経理を初めとした雑務を任せれば、入ってくるお金は減るが使える時間は増える。多く収入を得ることは確かに大事だけど、技術を育てることも大切。叔父さんたちは美味しいトマトを食べてもらうことを喜びにしている。農業のやり方も人それぞれで、そう簡単に割り切れるほど簡単なものではないんだなと勉強になった。
 
ツアーラスト、一番の目玉である耕作と農の結婚式。
林檎に話したがらなかった耕作の過去が思わぬ形で語られる。何かあるとは思っていたけど、まさかここまで重い過去を背負っていたとは…… 彼が農業に賭ける強い意志、その理由を知ることが出来てよかった。このまま挫けず諦めず、目標を達成して欲しいなと思います。
嘘がバレてしまい、来客に全てを打ち明け謝罪。そこまでは男らしく決まってたんだけどねぇ…… あの台詞はないわー(笑) そりゃ農と林檎にも殴られますわ。いや、このシーンすごい面白かった(笑)
 
ちゃっかりツアーに参加していたベッキー。ちゃっかりレベルじゃなく、相変わらず酷い暴れっぷりだったわけですが…(笑)
メインイベントである合コンタイムにて、下ネタ連発で同じ席の田中さんをドン引かせ、終いには幸せオーラを放つ耕作と農にまで牙を剥く。アラフォーすげぇないろんな意味で。あと異常に戦闘能力も高かったりして超怖いです。ベッキーは遠くで見てる分には面白いと思う、うん。
 
切符さんのイラストは本当に素晴らしい。耕作は袴でカッチリと、農は着物で綺麗に。他にも、工や商も小っちゃくて可愛かったし言うことなしです。のうりんは特に挿絵が多いからそれだけ大変そう。イラスト見る度に癒されます、ありがとうございます!
次は良田さんの過去にスポットが当てられるのかしら? 次巻も読むのが楽しみです。