「ささみさん@がんばらない 2」感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

ささみさん@がんばらない 2 (ガガガ文庫)/小学館
¥620
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がんばらない、私。でも、少し泣いていい?
引きこもりをやめ、学校に通うようになったささみさん。でも、がんばりたいのに、がんばり方がわからないよ……。
『最高神のちから』を持っているはずなのに「普通の暮らし」と「友達の作りかた」がわからない。そんな社会不適合体質なささみさんに愛を暴走させるお兄ちゃん、そして美少女三姉妹は相変わらずセクハラ&キャッキャ☆ウフフでラブコメ中。
外に出たささみさんが出会った世界は美しくも、残酷だった――。でも、もしも願いが叶うなら、神様――。誰かが誰かのために祈るとき……きっと、わたしたちは、ひとりぼっちじゃない。
可笑しくて、ときどき涙。エロスあり友情ありバトルありのシリーズ(2)巻。
 
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三部構成。それぞれが短編ではなくちゃんと地続き。
兄の部屋で怪しげなDVD発見したささみ。気になって再生してみると、ホームビデオを思わせる雰囲気と共に、神臣とつるぎの姿が画面に映し出される。ささみを成長させるために行う「ササミウォッチプロジェクト」、略して「SWP」を行うと二人は宣言。
画面の中の自分(ささみ)はつるぎに頼まれた買い物に四苦八苦したり、店員の勘違いでイベントスペースに通されたりと慣れないことにあたふた。
今ここで見れているということは、この映像は過去に撮影されたもののはず。しかし、ささみには一連の出来事全てに一切覚えがなく、不安はどんどん深まっていくばかり。
画面の中のささみはうずめのあな上階のイベントに、導かれる様に参加。しかし、それは月読神社の罠だった。そこに現れたささみの父、月読留座によって画面の中のささみは肉腫(最高神の力)を切り離され、それに伴い深い傷を追ってしまう。
 
つるぎはささみにクエストと題して買い物を頼む。“鎖々美を成長させるため”という名目で変なものを買わせたり18禁コーナー付近へ行くように仕向けたり。いや、つるぎさんあなた完全に楽しんでるでしょう……(笑)
最後まで読めばなるほどそういうことか、と納得出来るはず。それにしても、邪神三姉妹はどこまでも自由だよなぁ。勢いでビルをぶっ壊すあたり、たまはとりわけ問題児だと思った。みんないい奴ではあるんだけどね。
 
普通の女子高生のような生活が送りたい。高校一年の修了式を間近に控えたささみさんはそう思い立ち、かがみに相談を持ちかける。そしてささみさんは考える、まずはかがみと仲良く楽しそうに喋っているところをクラスメイトに見て貰えば、友達も出来るのではないか、と。ささみさんの友達になって欲しいという願いを受け入れつつも、かがみはどこかそっけなく……
普通って案外難しいんだよな、と改めて思った。だからこそ、普通に過ごせていることに感謝しなくては。
最高神の力を有しているささみが望む、ということはつまりささみの友達は神に認められた存在と同義。他の神々はその人物を大層恨めしく、妬ましく思うことだろう。それにささみは気付かない。かがみが抱える苦悩、神々による怨嗟と降りかかる災難にも。
二人の絆が本当の意味で強く結ばれた、そんな気がしました。これでささみさんもまた一つ、成長出来たんだと思う。
 
ささみの母親が黄泉の国から蘇る、ささみを連れ戻しに。
月読の巫女として、全てを投げ打ってでも世界の平衡を保つ必要がある。そう言って月読神社へ戻ることを強要するささみ母。
ささみを助けるために邪神三姉妹が駆けつけ立ち向かうも、根の国の王である素戔嗚尊の加護を受けたささみ母の神格は強大。圧倒的な力の前につるぎは黄泉の国へ落とされ、かがみは重傷を負ってしまう。
母と牢に入れられた神臣との会話が気になった。これはまだ何か裏があるっぽいな……
つるぎが退場しちゃったけど、またちょっとしたら戻ってくるよね? 邪神三姉妹は一人でも欠けちゃいけない。寂しいから早く戻ってきて欲しいな。
 
日常と非日常。敵と対峙するシリアスな場面と、その中であっても存在するなんともいえない可笑しさ(神臣の間抜けな部分とか)。ここら辺のバランスがとにかくちょうどいい。
神話をモチーフにしているけれど、決して難しいわけでもないし。
一巻読んだときはそこそこ面白いかな?くらいだったけど、二巻を読んで「あ、これ僕の好きな作品だわ」と確信に至った。
日日日さん曰く今回はシリアス多め、とのことですが、僕はこのくらいが好みです。続きも楽しく読ませて頂きます。
アニメのクオリティ高すぎてやばい…! よくまとまっていて本当に面白く出来ていると思います。こちらも続きが楽しみ!