「僕は友達が少ない 8」感想 | self-complacency
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- 聖クロニカ学園学園祭本番、前座のような体育祭はつつがなく終わり、いよいよ文化祭当日となった。自主製作映画を上映する予定の隣人部だったが、映画の仕上げを担当していた理科が倒れてしまい、映画は未完成となり上映は中止に。残念な結果となった学園祭ののち、これまでの馬鹿馬鹿しいけど賑やかで楽しい活動の日々へと戻っていく隣人部。互いに絆を深めていく隣人部の面々と過ごしながら、小鷹は隣人部への思いをいっそう強くする。そんなおり、星奈を敵視する生徒会の遊佐葵が隣人部に対して不穏な動きを見せ、小鷹、夜空、星奈、理科、幸村の関係にも大きな転機が訪れる――。残念系コメディ、ついに終幕……!?
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正直言って前巻までの内容あんま覚えてないですごめんなさい……
それでも今までとは違う、隣人部の存続に関わる大きな分かれ目を迎えている、ということは分かった。シリアス展開ついに来たか…!
聖クロニカ学園にて体育祭、文化祭が行われる。体育祭はつつがなく終わり、続いては文化祭。隣人部は出し物として、自主映画制作に取り組んでいた。脚本や配役でもめはしたものの、なんとか撮影は完了。あとは編集作業を残すのみとなり、完成は間近。しかし、編集作業を一人で請け負っていた理科が過労で倒れてしまい……?
さらには生徒会書記、遊佐葵が隣人部を廃部に追いやるため、談話室4へ乗り込んでくる。
文化祭当日に間に合わなかったため、映画の上映は中止。夜空の「……最初は七人で観なければ、意味がないからな」の言葉には不覚にも感動した。隣人部のメンバーのことを大事に想う気持ちが伝わって来て、心があったかくなりました。
『DX友達つくりゲーム』なるボードゲーム(双六のようなもの)で遊ぶ場面は、相変わらずの隣人部で安心する。マス目の妙に残念描写にリアリティのある指示に笑った。「お前は俺か!」ってたまに言っちゃうよね、うん。
所持金と友達を増やしたり減らしたりしながら進んでいくこのゲーム。
幸村が無償で星奈や夜空助けているというのに、二人きりだと気まずいだの隣人部に入れなきゃ良かったと思っていただの、散々な言われようで泣いた。これはさすがに怒っていい。
隣人部メンバーが勢揃いしている中、突然の星奈の告白。聞こえないフリはもう通用しない。そんな状況に立たされた小鷹は――逃げた。
遊佐葵の、生徒会の仕事を手伝うということを自分の中で言い訳にして、部室にも行かなくなった。否、怖くて行けなかったのだ。
仕事をこなしていくうちに、遊佐だけでなく生徒会長・日高日向や副会長たちとも仲を深めていく小鷹。
部室に顔を出さなくなってから一週間ほどが立った頃、遊佐と一緒に仕事をしている小鷹の前に、幸村が現れる。
幸村のどこまでも自分を貫く姿勢、本当にかっけぇよ…! 小鷹も言ってたけど、目指すも何ももう立派な漢じゃないか!
そしてその真っ直ぐさが、小鷹の目を覚まさせることになる。
世間でなされている評価、ありきたりな学園ラブコメと言われていることを上手く利用して? はたまた、そうなることは初めから計算されていたのか。
事実がどうなのかは分からないけれど、このメタ的な作風はすごく良いと思います。シリアス展開堪らない。
眼鏡を外して髪を下ろした理科の可愛さたるやね。もはや美少女のレベルを越えてる。それだけでなく、性格的にも八巻を読んでさらに好きになった。どこまでも理科は良い子すぎる……(涙)
概ね不満はないんだけど、あえて一つ指摘するとしたらブリキ絵の顔の不安定さかなぁ。絵を見て一瞬誰か分からない、顔がなんか違うってパターンが度々あるので。まあそれを補って余りある面白さだったので、ぜんぜん目を瞑れちゃいますけどね。
全てを見抜いている理科は、隣人部を守りたいという小鷹の考えを汲み取り、自分を殺してきた。だがそれも、バラバラになってしまった隣人部の現状を目にしてしまっては、もう我慢など出来ない。
小鷹と本音をぶつけ合うラストのやり取り、良かったなあ。ハーレムラブコメの主人公だったら全て丸く収めて平和に過ごせたのに、そうじゃない俺にはそれが出来ない。その台詞が全てを物語っているように感じる。
本当の気持ちを曝け出して向き合い、ようやくお互い友達であると認め合えた二人。隣人部のは行く末はどうなるのか? そして星奈の告白に対する小鷹の答えとは…?
いよいよクライマックスが見えてきた感じで。続きがすごく気になります…!

