「女子高生店長のコンビニは楽しくない 3」 感想 | self-complacency
- 女子高生店長のコンビニは楽しくない 3 (ガガガ文庫)/小学館
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- ガッちゃんの秘密にせまる女装高校生りんな。
「あ……あんた何してんの……!?」
何をしているかと問われれば、女装をしています。
実の姉の制服とカツラを無断で拝借して、女子高生・戸浪(となみ)りんなという新しい自分を楽しんでいます。この貧相な体格と声変わりする前の中学生のような声のおかげで、一人称が「ぼく」でも誰も疑わないくらいです。だから、頼むからそのゴキブリを始末するときみたいな目を即刻やめてくれるかい………。
女子高生コンビニ店長・こももに接近するために、女装してアルバイト先のコンビニ「チョコマート」に潜入したりんな。はたしてその正体は、姉・潤子やあこがれのこももにバレずにすむのか!?
不思議度全開だったガッちゃんの秘密がついに明らかになる大人気「女装高生コメディ」の第3弾!かわいらしいイラストは新鋭イラストレーターの茶みらい!
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ガッちゃん回って感じでした。何度も言ってるだろうけど、家族絡みのネタは本当ズルい…… こんなん感動するに決まってるもの。
姉の潤子に正体がバレた!?な引きからの今巻。まあバレてたら色んな意味で話が終わってしまうので、そうはならず。湊人は来店してきた姉に自分の女装を気付かれたと思うも、それは勘違い。潤子はりんなの後ろにいたしょーたが万引きしようとしていた場面を目撃し、それについて指摘をしたのだった。
クリスマスを目前に控え、世間が浮き足立つ雰囲気の中、チョコマートの店員たちは皆浮かない表情をしていた。彼女たちにとっての大きな問題、それはクリスマスケーキの予約が全くと言っていいほど入っていないこと。どうやったら売れるか案を考え、最終的に湊人の欲望から生まれた、「サンタコスプレ」をして各家庭を回るキャンペーンをすることに。
そして、町内一のいたずらっ子と名高い少年、しょーたが再びチョコマートへとやって来る。ダメと言っても聞かないしょーたに手を焼くチョコマートの面々。ガッちゃんのメガネを奪って逃げたしょーたを追いかけていくと、一軒の家へと辿り着く。そこでしょーたの母親と出くわし、中へと案内される。家庭環境やしょーたについての話を聞かされ、言葉数が少なくなってしまうりんなたち。そこで、世話をするのに困っているしょーたをチョコマートで預かって欲しい、と頼まれてしまい……?
つづり先生、相変わらず普通のワンシーンや会話の途中でさらっと下系の発言を挟むのがうまい。自然すぎて思わず「そうだよね」と普通に流してしまうレベル。……あれ?
りんなは従兄妹なんだ、と説明して必死に正体をバレないようにする湊人の姿がなんだか面白い(笑)
りんなのお見舞いをするために、とこももが南里家に。こももがいい娘すぎて……本当なんなの?天使なの?
潤子に二人でいる場面を目撃され、無理やり家の中へとつれられてしまうこもも。突然の状況に困惑しつつも、礼儀正しく振る舞うこももはまさしく大和撫子ですよ! ぺろぺろしたい。
それにしても、湊人が会話の途中で潤子に蹴りやタックルをかますのには笑った。どうみても不自然だろ!(笑)
こももは疑う心を知らない純粋な子だからいいものの、そろそろ女装を隠し通すのも厳しくなってきたのでは……?と思う。そこら辺はどうなっていくのかな。
ガッちゃんがしょーたを頑なに手放そうとしないのには理由があった。しょーたが自分と同じ境遇であると見抜いていた、だから見て見ぬ振りなんて出来ない。優秀な長男ばかりに気を遣って下の子には目もくれない。実際そんな家庭はよく見るよね。
クリスマスケーキの件としょーたの件をまとめて解決する案を思いついたことに関しては、湊人ナイス!と言ってあげたい。
あとは何よりガッちゃんがしゃべった、ってところが印象として大きかった。自分としょーたの重なる部分、その想いを込めての心からの叫びは、読んでいて胸に込み上げるものがありました…!
実はガッちゃんが喋らないのは過去の体験のせい。ネタバレになってしまうので詳しくは書かないけど。僕はあのキャラもすごく良いと思う。
りんなとして接してきたから分からない部分ではあったけど、湊人もこももに好意的な印象を持っているんじゃないかしら。りんなに頼んでまでメルアドを渡すなんて律儀だなー。あれ、これ頑張ればいい感じになれるんじゃ…?
今回も茶みらいさんのイラストが素敵でした。見開きのミニスカサンタ衣装(布面積少なめ)を纏ったこももちゃん可愛すぎィ!

