「あやかしがたり」 感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

あやかしがたり (ガガガ文庫 わ 3-1)/小学館
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第3回小学館ライトノベル大賞ガガガ大賞受賞! 侍エンターテイメント!
剣の腕は一流、しかし心はビビリ屋の侍、新之助は幼い頃から妖怪を見る体質だった。旅先で出会った怪しげな男・拝み屋ふくろう、奇妙な少女・ましろと行動をともにするうち、故郷に陰謀の影が迫っていることを知る。
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時は江戸、魑魅魍魎あやかしが跋扈する時代。
大久保家の次男として生を受けた新之助。人よりあやかしがよく視えてしまうが故に、周りから避けられ、疎まれ、嫌われる。彼はそんな15年間の人生を送っていた。
新之助が江戸から地元である山手へと帰る道中の出来事。自身を拝み屋と名乗る謎の男、ふくろうが新之助の目の前に現れる。話をしていく内にふくろうの目的地も同じ山手であると分かり、二人は行動を共にすることとなる。いざ出発、と船に乗り込む新之助とふくろう。そこに服も肌も真っ白な少女、ましろが突然飛び乗ってきて……?

ジャンルで言うと時代小説ってやつですね。妖怪が出て来て、主人公が刀を武器に戦う。ラノベでは読んだことないジャンルなので、新鮮ではあった。ただ和モノ、というか歴史系統が絡む話だとどうしても読みにくいんだよなぁ…… 難しい漢字とか昔の知らない言葉とかあって結構苦戦した。

大崎夢想流の免許皆伝、剣術ではそうそう敵う者がいないほどの腕前を持つ新之助。暗殺の為に刺客が放たれるものの、もちろんあっさり返り討ち。ふくろうも理由は不明だけどかなり強いし、ましろに至っては位の高いあやかしであるから言わずもがな。
途中黒犬に襲われピンチに陥ったりもしたが、三人はなんとか山手へと辿り着く。
山手藩がどうなろうと知ったことではないが、関係のない人たちや家族が巻き込まれて苦しい思いをするのは許せない、と新之助は世継ぎ問題に首を突っ込む。
田町と上郷のどちらが藩にとって正しいのかを確かめに。そして新之助たちは、家督争いから始まる戦いへと巻き込まれていく。

新之助は他人に心を開かない、すぐに信用出来ない。そこら辺の部分が八幡に似てるな~と思ったり。
ヒロインだから当たり前なんだけど、ましろは新之助に感謝しているってだけじゃないよね。それ以上の想いがごにょごにょ……
ふくろうは最後の渋谷との戦いも弄ぶようにして圧勝。どれだけ強いのか、底が知れない。読んでいて、この男一体何者なんだ…?と誰もが思ったはず。正体がすごく気になる…!
キャラとしては新之助を度々からかったりするのが面白くて結構好き。
新之助 VS あやかしの力を得た上郷の勝負。田町に貰った冷泉新鷹がこんなにも優れた刀だとは思わなかったなぁ。圧倒的な力の前に諦めそうになりながらも、上郷に立ち向かった新之助の姿は間違いなくかっこよかった。覚醒というより闇落ちみたいな感じだったけど(笑)

既刊4巻だからあと残り3冊、か。気が向いた時にまたぼちぼち続きを読んでいくとしよう。