「ココロコネクト ヒトランダム」 感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)/エンターブレイン
¥630
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男女五人がふるしゃっふる! 青春の五角形コメディ登場!
とある部室棟の401号室。そこに集まるのは、ナンデモアリを掲げる弱小部、文化研究部の部員たち。プロレスオタ八重樫太一・天然美少女永瀬伊織・冷静沈着な稲葉姫子・お調子者の青木義文・ファンシー大好き桐山唯、彼等の騒がしくも穏な日々は、ある時をもって終わりを告げた……。知らぬ間に始まっていた部員間の人格入れ替わり――。【誰か】になって【自分】に戻って別の【誰か】と入れ替わる、五人の異常な日常が今始まる! 第11回えんため大賞特別賞受賞作、愛と青春の五角形コメディ!!
 
アニメが面白かったので購入。
舞台は私立山星高校、この高校では部活動への参加が義務付けられていた。入りたい部活が現在が存在しない、やりたいことはあるが他に部員はいない、等それぞれの理由で集められた行き場のない高校一年の五人―永瀬伊織、八重樫太一、稲葉姫子、青木義文、桐山唯。教師の提案により、彼ら五人は新しく作られた部活、文化研究部に参加し活動していくことになる。
文化研究部の五人は平和な学園生活を楽しんでいた。しかし、突如現れたふうせんかずらと名乗る者、次々と巻き起こる謎の人格入れ替わり現象。それにより、文研部五人の関係は少しずつ、歪んでいってしまう――。
日常から非日常へと変わっていく、という物語は大好物。出来ればもっと早く、この作品が面白いということに気付きたかった……
この物語の主役である文化研究部の五人を見ていると「青春だな…」とすごく感じる。なにせ人格入れ替わり現象なんて訳の分からないものを相手に、みんなで協力して、支え合って、立ち向かったのだから。
割と下ネタ的な、高校生らしいその手の話題が出てくるけど、それも微笑ましいというかなんというか(笑)
テーマとして友情や恋愛が描かれているけど、それがまた上手い。人間関係、特に心理描写、それを人格入れ替わりを絡めて見せていく技術には、純粋に感動した。だってすごいんだもの。実際に有りそうな、リアリティのある人間関係。高校生が直面しそうな問題を捉えられていると感じた。この物語だと四角関係より複雑な感じになってるけど…(笑) これが新人賞投稿作とか化け物か…!
ココロコがファミ通文庫の売上を支えていると言われた理由にも今なら頷ける。
桐山唯の男性恐怖症判明、稲葉姫子の人間不信、永瀬伊織の家庭環境による人格喪失。ラストには伊織の事故もあり。本当に構成として素晴らしい、これは最後まで読めば分かるかと。
苦しみながらも問題を解決するためにと奮闘する太一。自己犠牲は、周りの人が傷付くことが耐えられないという性格の裏返し、か。誰しもその気持ちは持ってるんじゃないかな。
八重樫太一の存在は間違いなく大きかった、そして誰よりもかっこよかった。
人格入れ替わりという一連の事件は辛く苦しいものであったけど、みんなの成長と、さらなる絆を深めるという結果に繋がったのだと思う。恋愛関係の面においてもプラスになったのかなー、なんて。
ヒトランダムに関して言えば、初見の方が楽しめる話って気がする。アニメが先だったのでその点だけは残念。まあどっちが先でも面白いことに変わりはないんだけども。
たまたま調べたところ、イラストの白身魚さんがすごい方だと知って驚いた。イラストもその世界観とマッチしていて本当に素敵でした。
個人的には伊織が一番可愛いと思うんだよ! まあみんな可愛いけど!