「こわれた人々」 感想 | self-complacency
- こわれた人々 (ガガガ文庫)/高岡 杉成
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- 不安定な彼を、少女は救えるか。
- 高校生・向井城介は、普段は人との交流を持とうとしない暗い少年。しかし、昔から「突然キレて上級生と殴り合いのケンカを始める」「プールの授業中に抜け出して女子の下着を盗む」など数々の奇行に走るために、学校中から「不安定な奴」として避けられていた。そんな城介の行動にクラスメイトの倉橋美冬は、3年前に不慮の事故で亡くなった母を重ね合わせる。最期まで母のことを理解してあげられなかった美冬は、城介に救いの手を差し伸べようとするが――。
トビラビトである向井城介は変人として学校中の人々から避けられていた。ウラビトと戦い体を乗っ取られると自分では意識を保てず、欲望のままに行動してしまう。ウラビトは他人から見えないので、傍から見れば頭のおかしい人にしか見えない。
彼を自転車で轢いてしまったきっかけで城介を心配する倉橋美冬。彼女は母親を事故で亡くしていた。母親との決別の意味を込めて書庫の整理をしていた時、母の日記を見つける。それを読み母親もトビラビトであったと知る。
ガガガらしい作品ではあった。終盤はマシになったにしても、主人公のクズっぷりが異常。ウラビトに入られる云々を抜きにしてもこいつダメだろと。
作者さんが言っていましたが、心理学分野、主に躁鬱、心の病気を題材にして書いたみたいです。
化物が出てきてそれは主人公にしか見えない、ここまではよく見る設定。
だからこそのもう一工夫が物語の何処かに有ればな…と思ってしまった。異能バトルも最近は多い訳だし。
良いところを挙げたいんだけど、うーん…。
全体的に世界観が暗い。そして説明不足を感じたのは僕だけじゃないはず。
期待を悪い方向に裏切られた感じで、残念です。

