2020年3月、横浜市の中学校に通っていた女子生徒が自殺した。第三者委員会は、いじめを認定し、自殺との事実的因果関係を認めた。しかし、学校が、女子生徒の自殺後に行った「基本調査」からは「いじめ」の文言が削除されていた。いじめを隠蔽したとの批判も相次いだ。そこで、代理人弁護士にインタビューを試みた。

 

 2020年3月、横浜市の中学校に通っていた女子生徒が自殺した。市の第三者委員会は、「行為者の行為そのものの性質から、一般的に考えて心身の苦痛を感じる程度の行為」などとして、女子生徒へのいじめを認定した。その上で、自殺との因果関係があったことを認めた。この件では、市議会でも問題となり、市教委による「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針」(文科省作成、改訂版)による調査が問題視された。基本調査の段階で「いじめ」という文言が削除されたためだ。そのため、遺族は、学校・市教委に不信感を持つことになった。

 調査結果(公表版)によると、以下の「からかい行為」がいじめと認定された。

①     クラスメートの男子生徒複数名と、他の生徒複数名が加わり、女子生徒の後ろでこそこそとニックネームを行ったり、休み時間に廊下ですれ違った際に、女子生徒のニックネームを大声で叫んだりした
②     女子生徒が泊まると、生徒複数名が一緒に止まったり、女子生徒がゴミをしてに行くと、「捨てに行きました」などと行動を実況した
③     女子生徒が授業中、教師に当てられて発言した際、笑いを誘う意図がないにもかかわらず、男子生徒複数名がくすくすと笑ったこと

などを女子生徒への「からかい」とした。

 

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