新しい「自殺総合対策大綱」の素案に関するパブリックコメントを受け止めています(28日23時59分まで)

 

 私も意見を出しました。以下の内容です。できるだけ項目に沿ったつもりですが。

 

 

第4 自殺総合対策における当面の重点施策

3.自殺総合対策の推進に資する調査研究等を推進する

(4)子ども・若者及び女性等の自殺等についての調査

 

 基本調査の際には、学校または学校の設置者が行うことになっている。しかし、調査の結果、死因不明が半数を超えています。つまりは、学校は自殺の原因を把握していないことになります。児童生徒の自殺の調査については、学校の基本調査では不十分なことは明らかです。そのため、新たな調査の枠組みが必要になります。

 子ども自殺については、教員による不適切指導が自殺の一因になっていると指摘されている例もあります。そのため、生徒指導提要改訂版でも新たに指摘されましたが、不適切指導との関連も調査すべきです。

 

(5)コロナ禍における自殺等についての調査

 たしかに、コロナ禍で「子ども」や「若年女性」などの自殺が急増しました。しかし「子ども」の自殺はコロナ禍以前から増加傾向にありました。まずはこの認識が必要になります。また、自殺対策基本法やこれまでの自殺対策大綱では、子どもの自殺の実態を踏まえた対策がなされていないことの表れでもある。そのため、実態を踏まえたものにすべきです。

 

7.社会全体の自殺リスクを低下させる

(1)地域における相談体制の充実と支援策、相談窓口情報等の分かりやすい発信

 SNS相談については、アクセスした人たちができるだけ多くの相談につながる必要があります。そのためには、窓口や相談員を増やす必要です。

 ただし、SNS相談と自殺対策との関係が依然として不透明です。自殺対策としての効果について、検証が必要でしょう。

 

11.子ども・若者の自殺対策を更に推進する

 さらなる推進のためには、SOSの出し方に関する教育だけでなく、教職員らによるSOSの受け止め方も強化する必要があります。そのためには、学校は、学校設置者や教育委員会などと協力しつつ、一般の教職員だけに任せずに、自殺対策の担当教員(職員)を新たに設置するなど、専門職員を置くことが必要です。

 

(1)いじめを苦にした子どもの自殺の予防

 いじめを苦にした子どもの自殺の予防は大切である。しかし、いじめ防止対策推進法では、教職員によるいじめは含まれていません。教員によるいじめによって、自殺をした例もあります。そのため、いじめとの関連では、子ども同士だけでなく、教職員によるいじめも踏まえるべきです。

 また、生徒指導提要改訂版でも指摘されていますが、不適切指導による自殺についても考慮する必要がある。そのため、いじめだけでなく、不適切指導による相談窓口も必要になります。

 さらには、不適切指導による自殺の項目を設けるべきであると考えます。

 

(3)SOSの出し方に関する教育等の推進

子どもによるSOSの出し方だけでなく、教員らによるSOSの受け止め方も重要である。

 

(6)危険な場所における安全確保、薬品等の規制等

「危険な薬品等の譲渡規制を遵守するよう周知の徹底を図る」とあるが、「危険な薬品等」には販売規制も必要である。なぜなら、病院での処方薬や市販薬の乱用が問題視されているためだ。ドラッグストアでの販売のあり方について考慮すべきである。

 

 

(8)子ども・若者の自殺対策を推進するための体制整備

 こども家庭庁との連携も必要であるが、児童生徒の自殺は、学校や学校設置者が最も身近で把握できる。そのため、文科省が積極的に自殺対策に乗り出すべきです。現在、「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」は設置されているが、全体の施策へのチェックと提言などをしている。これに加えて、より、実態把握を努めることが必要だ。