内容紹介

「指導」という名の教師の暴言と体罰が、子どもたちを苦しめ、死に追いやる。学校や教育委員会は事実を伏せる。教える側の質が劣化しつつあるなか、もはや「いじめ」は子ども同士のあいだで起こるだけでなく、子どもと教師のあいだでも起こっている。

筆者は、学校に関連して死んでいく子どもたちの死因を「学校死」と定義したうえで、当事者を取材する。そこから見えてきたものは、学校が生徒を見殺しにしている実態であった。「学校死」は、どうすれば減らすことができるのか。その方法と可能性を探る。

著者について

渋井哲也(しぶい・てつや)
1969年、栃木県生まれ。ジャーナリスト、中央大学文学部講師。東洋大学大学院文学研究科教育学専攻博士前期課程修了。元長野日報記者。ネット事件、自殺問題、若者の生き方、サブカルチャーなどを取材。1998年からは、ウェブと生きづらさをテーマに取材を進めている。おもな著書に『実録・闇サイト事件簿』(幻冬舎新書)、『絆って言うな!』(皓星社)、『ルポ平成ネット犯罪』(ちくま新書)など多数。