関心がある事件の裁判があったのだが、日程の都合上、ずっと傍聴することができない。ただ、空き時間があったので、きょう午後になって、東京地裁に傍聴へ。しかし、満席でなかなか席が空かない。しばらく待っていると休憩となり、退席をする人がいたので、傍聴席に座ることができた。関心がある事件とは、以下の内容だ

 

 東京都目黒区で元交際相手の女性(当時24歳)を殺害するなどしたとして、殺人や死体損壊などの罪に問われた住所不定、無職、佐賀慶太郎被告(52)は26日、東京地裁(佐々木一夫裁判長)の裁判員裁判の初公判で「死体の損壊、遺棄は認めるが、殺そうと思って死なせたわけではない」と述べ、殺人罪を否認した。

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 起訴状などによると、佐賀被告は2016年9月16〜17日ごろ、同区の女性の自宅マンションで何らかの方法で女性を殺害。包丁などで遺体を切断し、千葉、埼玉両県や東京都内の川などに捨てたとされる。

 検察側は冒頭陳述で「(女性への)恋愛感情が満たされない逆恨みで殺害した」と指摘。事件前に遺体解体に必要な道具をまとめたメモを作成していたと述べ、「殺害に関するインターネット検索もしており、計画性があった」と主張した。

 一方、弁護側は「借金の返済を求めてマンションを訪れた被告ともみ合った被害女性が転倒し、被告が持っていたナイフが刺さった」と反論。「けがをさせるつもりもなかったし、殺害の計画や準備もしていない」と述べた。

 捜査関係者によると2人は15年に埼玉県内で知り合い、一時は同居していたが、女性だけが事件現場となったマンションに引っ越した。その後、女性は佐賀被告につきまとわれるようになり、同県警や警視庁にストーカー被害を相談していたが、16年9月16日夜に勤務先の会社を退社後、行方不明となった。

 今回の公判で、同地裁は、被害女性の氏名や住所を法廷で明らかにしない秘匿決定を行っている。【蒔田備憲、服部陽】

https://mainichi.jp/articles/20181126/k00/00e/040/186000c

 

 ほとんどの記事では、殺害された女性を「元交際相手」などと書いているが、「デリバリーヘルス嬢」との情報があったために、関心を寄せていた。私が聞けたタイミングでは、被告の弟が証人尋問を受けていた。途中からだったので、証言の重要性がよくわからなかったが、最後の証拠調べで、この事件が起きる前に起こした暴行事件で、被告が川口署に拘留されていたときに、弟あてに出した手紙が読み上げられた。このことから、殺人事件の前段階で起こした暴行事件について、被告目線の内容が理解できた。以下は、取材メモより。

 

 

被告から弟への手紙

 

弟へ

何回も来てくれてありがとう。

なんで10日間も拘留されたのか、再逮捕されるのかを話しをしたい。

Aさんとは、去年12月から5月まで同棲していた風俗嬢だ。

普段は風俗で遊ばないが、去年の7月、デリヘルで遊んでいた。ついたのがAさん。

彼女は好きで風俗で働いているわけではないと、普通のOLになりたいと言っていた。

広島から彼氏と出てきたが、彼氏が別の女性のアパートに出入りするのを見て、別れることになり、ネットカフェ難民になった。

そのため、100万円を出世払いで貸した。

しばらくはそれで暮らせていたと思うが、

11月中旬、実家で物入りということと、アコムで借金があるというので、60万円を貸した。

当時、大宮に住んでおり、駅までバスで20分、そこから渋谷まで通勤は大変ということだった。

渋谷の近くに引っ越したいとも言っていたので、Aさんと一緒に住むことになった。

毎月6万円払うと言っていたが、無理しなくていいと言ったので、払ったのは最初の月dさけ。

仕事の給料は25万円。保険や税金、借金の返済や奨学金などを引くと17万円が残り。

一体何に使っているのだろうか。

引っ越し代が必要ということで風俗の仕事をすると言っていた。

平日の帰宅が遅かったので、スロットにはまっているのかと思っていた。

目黒に引っ越しをする。

6月下旬に会おうとすると、忙しいと。

6月22日もドタキャン。しばらくほっておいた。

6月24日、電話があったので、「風邪をひいた」と言った。「言ってくれれば看病にいったのに」との白々しい返事があった。

この頃から、忙しいのは風俗で仕事をしているから?と思った。そのため、西川口の店舗のホームページを見てみた。

新人コーナーがあり、正面ではないが、わかった。「ゆり」とあった。

しばらく知らないふりをしてメールをしていた。

6月26日、「ゆり」の出勤予定。

その日に「会えないか?」とメールすると、「今日は無理」と返事があった。やっぱり、あれは「ゆり」なのだろう。

6月27日もドタキャン。避けられている気がした。転送手続きがしていないので、郵便物が来ていた。たまっているので、7月1日に届けようと思った。

部屋の電気がついていた。インターフォンでも返事はない。すると電話があり、「家の近くに来ているの?きもい」と言われたので、郵便物にポストに入れてさっさと帰った。

縁を切って、貸したお金を返してもらおうとしたときに、「言い過ぎた」とメールが来た。

「しばらくさようなら。風俗がんばって」と返すと、

「なんのこと」と来た。

7月9日、10日も「ゆり」はデリヘルの出勤。

11日も出勤だったので、メール。

「やっぱり、新人ゆりってあなたじないか」

「失礼ね、もう連絡しないで」

16日、「ゆり」を指名し、西川口のラブホで待っていた。

「やっぱり、お前か」

Aさんは逃げ出した。

「お金を返して欲しいだけだ」といい、スマホを取り上げた。

スマホを取り上げれば、逃げないと思ったが、「誰か、助けて」と言い、逃げていった。

1時間ほどすると、店からスマホに電話があった。彼女が店に戻っていないことがわかった。

ならば警察か?ストーカー被害を訴えていた。

その場ですぐに暴行罪で逮捕された。

翌日になっても被害届を取り下げない。罰金20〜30万か。とうとう前科者になってしまった。

暴行罪の次は、埼玉県の迷惑防止条例のストーカー容疑か。でも、いくら警察でも、そのくらいで逮捕はしないのではないか。

ただ残念なのは、あんなに可愛がっていたAさんが、恩より恨みが強くなっていること。

自分自身も反省しなければならない。

貸したお金は第三者を通じて請求することにする。弟にも手伝って欲しい。