WHOは、国際的な疾病や障害、死因の基準(ICD)を作っています。

 

 現状はICDー10です。

 http://www.mhlw.go.jp/toukei/sippei/

 

 今回は11回目の改定になるため、ICDー11と呼ばれるようになります。

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000211217.html

 

 英語版のホームページがありますが、「ゲーム障害」(Gaming disorder)が位置付けられました。

 

 それは、「中毒性行動による障害 」(Disorders due to addictive behaviours )の一つとされ、「ギャンブル障害 」(Gambling disorder)と同じ位置づけとなったようです。

 

 メディアは「ゲーム障害」を取り上げているところが多いですが、もう一つ重要なポイント。

 

 Gender incongruence(性別違和)がGender identity disorder(性同一性障害)からの概念が変化しています。いわゆる、脱病理化が一歩進んだことになります。つまり、disorder(障害)ではないんだ、という当事者たちの主張が反映された結果でしょう。アメリカ精神医学会の診断基準も改定され、DSM-5になっていますが、そこでも、「Gender Dysphoria」(性別違和)となっています。

 

 日本語の直訳では、「incongruence」は「不適合」や「不調和」のことですが、「Dysphoria」は「不快」「情動不安」のことをいいます。日本国内の法律では「性同一性障害」となっており、「疾病」として位置付けられています。

 

ゲーム依存症は精神疾患、WHOが認定

 スマートフォンなどのゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたすゲーム依存症が「ゲーム障害」として国際的に疾患として認められた。世界保健機関(WHO)が18日、公表した、改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案に明記された。来年5月のWHO総会で正式決定される。

 

 ICDは日本をはじめ多くの国が死因や患者の統計、医療保険の支払いなどに使う病気やけがの分類。

 

 厚生労働省の調査では、成人約421万人、中高生約52万人がゲームなどのネット依存の恐れがあると推計されているが、政府は依存を防いだり依存傾向のある人を早期発見したりするための対策をほとんどとっていない。ゲーム障害が国際的に疾患として認められたことで、予防対策や適切な治療を求める声が強まるとみられる。

 

 ゲーム障害は、依存性のある行動で日常生活に障害をきたす精神疾患の一種とされた。日常生活に支障が出てもゲームを優先する状態が12カ月以上みられる場合で、症状が重い場合はより短期で診断できるとした。ただし、飲酒同様、ゲームをする行為自体が問題とされたわけではない。

 

 国内で初めて専門外来を開いた、国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長は「公式な疾患になることで、ゲーム障害は本人の意志が弱いからではなく、治療が必要な病気だと理解してもらえるようになって欲しい」と話す。

 

 日本企業も加盟する米国のゲーム業界団体など20カ国以上のゲーム業界団体がゲームに依存性はないと反対している。WHO担当者は「科学的な根拠に基づき疾患に加えた。各国は予防や治療態勢の計画を立てるべきだ」と反論する。

 

 さらに改訂版には、漢方医学など古代中国に起源をもつ日本、中国、韓国独自の医学が初めて「伝統医学」として加わった。「気虚」といった患者の状態を表す用語が、漢方の診断「証」として列挙された。

 

 慶応大の渡辺賢治教授(漢方医学)は「東洋医学が民間療法ではなく、医療の一つとして国際的に認知された意味は大きい。診断や鍼灸(しんきゅう)や漢方薬などの効果の科学的な研究が進むだろう」と話す。

 

 また、性同一性障害(GID)は「性別不合」という名称になり、精神疾患から外れた。ジェンダーの多様性は病気ではなく、個人の状態だという考え方を反映した。「国内でも今後、学会の名称も含めて呼称について議論したい」とGID学会理事長の中塚幹也岡山大教授は言う。

 

https://digital.asahi.com/articles/ASL6M232BL6MUBQU001.html

 

 ゲームへの依存に関しては、私も以前、児童書として出版していますが、アマゾンでは中古しかないようです。