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「少しずつ傷つけて、心を慣らしておきたい。いつか来る痛みへの準備をしておきたいから」

 きょう、河北新報オンラインを読んでいたら、相馬農業高校飯館校演劇部のラスト公演「サテライト仮装劇 いつか、その日に、」が都内であるのを知って、調べてみると、完売とあったので、だめかな?と思ってツイートしたら、当日券があることを知らせてくれた人がいた。ダメ元で行ってみたら入れた(そこで「渋井さん?」と声をかけられるが、顔を見たことはあるのだが、名前を思い出せないのは内緒です)


 この演劇は、原発事故で避難した高校(サテライト高校)で、唯一残っている相馬農業飯館校が舞台。避難先は福島市。もう原発事故から7年目を迎えようとしているためもあり、ほとんどの生徒が福島市出身者。しかも、中学時代に不登校を経験するなど、福島市内の全日制高校に入れなかった生徒たちがほとんどだ。飯館出身者はむしろ少数。そんな現実をベースに、いつか飯館村に高校が戻るのではないかと想像をしたときの葛藤を描いている。


 冒頭のセリフは、なぜ想像をするのか?という問いの理由だ。大きな傷つきがいきなりやってくると怖いので、今からでも少しずつ傷つけていく。想像することは自傷行為なんじゃないかと思えるセリフだ。


 それにしても、飯館校が福島市出身者のセーフティネットになっていたとは知らなかった。そんな現実を演劇を通して伝えたものだった。また見たいとは思うのだが、演劇部員は卒業してしまう。新入生は入学してこないため、廃部になる。そのため、飯館校演劇部そのもののラスト公演となった。


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 この演劇が最初に公演されたときには何も決まっていなかったが、数ヶ月後、新入生の募集停止が決まったようです。