フランスの通信社AFP通信によると、パリ近郊で19歳の女性が走行中の列車に飛び込み自殺する模様を、動画中継アプリ「ペリスコープ」で生中継をしていたという。検察当局の話によれば、身元は明らかになっていないものの、死亡した女性は自殺する数分前、友人らに自殺をほのめかすメッセージを送信。「ペリスコープ」で自らの行為を説明したという。

 動画自殺が増加する前、自殺中継は音声チャットで行われた時代もあった。また、ネット上の大型掲示板などで自殺までの行動を実況中継することもあった。中継ではないが、直前に自殺予告をメールする例もある。私も、自殺直前の人物からメールが送られてきたことがある。

 今回のフランスのケースのような動画配信サイトでの自殺の実況中継は日本でもすでに起きている。


●24歳女性が配信中に飛び降り

 2009年11月、女性(当時、24歳)が動画配信サイト『スティッカムTV』で配信中に飛び降り自殺を図った。女性はうつ病と診断され、会社を辞め、精神科病棟で入退院を繰り返していたという。

 通報があり、警察官がマンションの部屋に駆けつけ、遺書らしきメモを読み上げ、無線で状況を伝えている様子も配信された。そのとき、「かわいい子だったらすぐ病院行くけどな」などの会話も配信された。その後、病院から配信がなされたとの情報もあり、未遂に終わったようだ。

●24歳男性が配信中に首吊り

 10年11月、宮城県仙台市在住の男性(当時、24歳)が動画配信サービス「Ustream」で首つり自殺の模様を配信した。

 男性はネット上の大型掲示板サイトの中で「来週自殺します」と、自殺予告をしていた。配信中、Ustreamのコメント欄は見ておらず、大型掲示板サイトのユーザーたちと会話をしていた。

 またこの男性はナンパブログも開設していたが、成功率が悪いことも悩みのひとつだったようだ。就職後、うつ病になったことも配信で話をしていた。朝方になり、マンションのベランダで首つりをした動画が配信され続けた。ユーザーから県警に通報もされたが、個人が特定できないとの理由で、動かなかった。


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