強姦などの性犯罪の法定刑を見直す刑法改正について、岩城光英法務大臣が法制審議会に諮問しています。強姦罪や強制わいせつ罪は、被害者が告訴しなくても加害者を処罰できる「非親告罪」とすることや強姦罪の加害者と被害者の性差をなくすことがなど、様々な論点が検討されています。

そんな中で、性別や性自認、性的指向に関わらず性暴力の被害者に対して支援をしている「レイプクライシス・ネットワーク」(岡田実穂代表理事)のメンバーが法務省を訪れて、署名4244筆とともに、「刑法改正に係る要望」を提出しました。これまでも、刑法改正に関して様々な団体が要望書などを出していますが、それまでになかった論点だと思います。

性別による規定を撤廃すべき

要望書では、まず、強姦罪で「客体(被害者)に男性を追加するにとどまらず、『人』として、性別による規定を撤廃すること」としています。性暴力の被害者が「性自認についてカミングアウトすることを強いる」ことにもつながるとして、性別そのものを規定からなくしてほしいとしています。いかなる性別、性自認、性的指向かは関係ないというものです。

また、強姦罪の要件について「男性器女性器間の暴行ではなく、身体侵襲行為とし、膣や肛門等への性器及び器具の挿入行為とすること」としています。WHOの強姦の基準(2002年)では「身体的暴力、又はその他の強制力を伴った、ペニスか、他の体の部位による、膣か肛門への挿入(程度を問わない)」と定義されています。これを要望書では「身体侵襲行為」としています。

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