内閣府の自殺対策推進室のヒアリングを受けた。
お題は、なぜ若者が自殺するのか?

で、そもそも、私の答えの前提としての疑問が、

・自殺対策推進室が考える「若者」とはいったい何歳までか?
国際的な概念で「youth」は24歳未満だったりするし、
横浜市の若者施策は40歳未満。
「子ども・若者白書」は30歳未満。
ということで、ここでは「若者=30歳未満」ということで。

・では、警察庁の自殺統計では、全体としては自殺は減少傾向。30歳未満も微減。ただ、人口動態統計では年間の死亡者数は増えたのに、警察の死体取り扱い件数、なかでも非犯罪死体の数は増えていないのはなぜか。

・しかも、解剖率が10%程度となると、そもそも自殺統計をどのように見るのか。信用していいのか?という問題が前提にある。

・そもそも「自殺」とは何かを考えるとき、自殺願望があるものの、そのときは死ぬつもりはなかったが、死んでしまった、というときもあるので、そうした場合、「自殺」と位置づけるのかどうか。そうした場合は、警察の「死体検案書」では、「自殺と推定」と書かれることがある。

・自殺と知られたくない人もいて、事故死と見せかける場合もあるが、おそらく統計上は「事故死」。このような自殺は統計には現れない。

・自殺の理由に「うつ」が多いが、そもそも本当に「うつ」なのかどうかは、わらないことが多い。抗鬱剤や睡眠薬をもらいたくて、うつ病患者を装って、精神科に行けば、「うつ病診断」がもらえたりするし、うつとして診断することが一種の流行でもある。一時期は人格障害もそうだったし、今では発達障害もそう。診断がきちんとなされているかどうかは考慮されなければならない。

・学校に所属しているかどうかでも、違っている。同じ年代でも、大学生と自殺率と、大学生ではない人たちの自殺率では、前者の方が少ないと言われている。そのため、年齢で単純にみることができない。所属しているところがはっきりしているrと、「大学」という場のつながりや、友人とのつながりが、自殺を止めるなんらかの効果があると指摘されている。

・性差についても。男女比で考えれば、2:1で男性が多い。しかし、自殺未遂は圧倒的に女性。ということは、男性が自殺を考えたときには、致死性が高い方法で行うが、女性の場合、男性と比較すると、致死性が引い方法を選択している可能性がある。また、未遂といっても、消防庁の統計では「自損行為」となっているが、「自損行為」が、未遂なのか、自傷なのかはわけて考える必要があるが....

・自傷行為では、「生きるための自傷行為」、つまり、なんらかの原因があって死にたいと思ったり、生きにくいと思ったりするが、自傷行為をすることでバランスをとることがある。しかし、自傷行為を繰り返すことで、結果としてなくなる場合がある。これを、死にたいと思っての結果として「自殺」とは違うものとして考えるべきか、否か。

・理由がない自殺、あるいは、周囲が理解不能の自殺がある。

・“記念日”(たとえば、命日のようなもの)のリスク。

・特に男性は、弱みを周囲に見せにくいように育てられる。

・助けを求めても、行政の窓口や精神科で、つめたくあしらわれることがある。

・では、NPOなどの民間は?というと、「いのちの電話」などの電話相談は、夜中につながりにくい。また、つながったとしても、説教されることがあったり...。また、NPOは、人材確保、予算獲得が難しい。質の担保はどこでするのか。

(追記)

・自殺者は孤独というイメージがあるが、私が取材した若者が自殺したケースでは、恋人がいるというのは9割。また友人が多いケースも。ということは、孤独かどうかではなく、サポートを求めるかどうかも大きい。

・社会的資源とつながっているかどうかを言われることがあるが、私が取材した人で自殺で亡くなった人のほとんどが精神科に通っている。もしくは、通院歴がある。ということは、つながっているかどうかではなく、つながりの質の問題だろう。


・未遂を繰り返すのは女性に多い。私が取材したある女性は32回の未遂をした(自傷行為とは別)。33回目に自殺で亡くなった。

・ネット上の自殺予告も珍しいことではなくなったが、最近では、生放送をしながらの自殺も出てきた(私が知り得た範囲では、スティッカムTV、ustream、ニコ生、ツイキャスでは行われた)。

・インターネットでは自殺の手段を仕入れることができるが、自殺系サイトがあることで、生きていられる人もいる。

・性暴力との関係。性暴力の被害にあったので、自殺願望を持つ人がいる一方、自殺願望を持っていると、性暴力の被害にあいやすい環境に自分が所属することがある。

話したことをメモ代わりに書いてみた。
あと、何を話したっけなあ.....