朝日新聞広島版に「震災以降」が紹介されました。執筆者の一人、フォトジャーナリストの小原一真さんの講演を記事にする形で取り上げられました。


広島)福島第一の作業員守るのは誰…ジャーナリスト語る

岡本玄

 東日本大震災の被災地に密着し、取材を続けるフリージャーナリストたちが、「震災以降 終わらない3・11~3年目の報告」(三一書房発売、1512円)を出版した。執筆者の一人、フォトジャーナリストの小原(おばら)一真さん(28)は広島市で講演し「福島第一原発の収束作業は、広島と無関係ではない。作業員の家族を身近な人に置き換えて考えてほしい」と話した。

 被災者の自殺や、津波被害で犠牲者が出た千葉県旭市など「マイナー被災地」の復興、人口流出が続き、岐路に立たされている書店主――。

 24人のフリージャーナリストたちが、独自の切り口で取材した3年間の蓄積を、A5判、199ページにまとめた。津波で妻を失った岩手県陸前高田市の戸羽太市長と社会学者の対談も収録。震災の風化に警鐘を鳴らしている。

 小原さんは「誰が福島第一原発収束作業員を守るのか」と題するリポートを寄せた。

 「状況を説明するのも大変だから、福島の人と結婚できたらいいなって思います。親のことを聞かれても、なるべく隠すようにしています」(ある作業員の20代の娘)

 「収束作業は、日本全国から徴兵制のような形でできたらいい。(日々、放射線を浴びている)息子の負担が減るわけだから」(別の作業員の50代の父親)

 東京電力と政府の工程表で30~40年を目標に終えるとされる廃炉に向け、一定量の被曝(ひばく)をしながら、がれきの撤去などをしている作業員たち。彼らを陰で支える家族の葛藤や不安、悩みなども紹介している。小原さんは「現場は、ぎりぎりの状態で成り立っている。少しでも改善するため、広島からできることもあるはず」と話している。(岡本玄)

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