耳かき店店員殺害事件での被告人質問続き。

弁護人 (美保さんの部屋で、美保さに馬乗りになって刺した後)誰かが美保さんの部屋に入って来たか?

被告人・林貢二 美保さんのお母さんとお兄さんが入ってきました。

弁 美保さんのお母さんはどうしましたか?

林 咄嗟に部屋から出て行きました。

弁 それからお母さんは?

林 分からない。記憶がない

弁 お母さんは廊下に出て行ったのですね。

林 はい

弁 では、美保さんのお兄さんはどうしましたか?

林 わからない

弁 覚えていない?

林 はい

弁 林さんはどうした?

林 咄嗟に廊下へ向かっていった

弁 何をしに?

林 咄嗟のこと。目的はない

弁 そのとき包丁は?

林 覚えていない

弁 廊下に戻ったときにはどうなった?

林 美保さんのお母さんが階段を下がっていった

弁 その後は?

林 わからない

弁 林さんは?

林 覚えていません

弁 お母さんとお兄さんが家の外へ出て行くのですが、記憶がない?

林 ないです

弁 家の外から「警察!」という声は?

林 階段を下りて行ったときに聞こえました。

弁 階段を下りて行って何をした?

林 家の中をうろうろしていた。

弁 一階では何を?

林 うろうろしていて、手に血が付いているのに気がついた。それで手を拭いた。そのあたりで立ったままで。

弁 手を洗った?

林 はい

弁 あとは覚えている?

林 二階へ上がった。

弁 何をした?

林 何もしない。

弁 何か見た?

林 美保さんが廊下で倒れていた。

弁 見てどうした?

林 また階段を下りて行った.

弁 それで警察が来て逮捕されたんですね?

林 はい

弁 警察に行った後で、警察病院で治療を受けた?

林 はい

 15:00~15:50 休廷

弁護人(北村) 逮捕後に泣き通しだった。「大変なことをした」と思ったのはいつか?

林 病院へ行き、治療を受けているとき。

弁 どんなけが?

林 両手に刃物で出来た傷

弁 気づいたのはいつ?

林 後から

弁 病院へ行くまで、痛いと思ったのか?

林 病院で、です。

弁 何針?何カ所?

林 40針。両手に8カ所。

弁 治療を受けたとき、どう思った?

林 人を刺した犯人が傷を治療を受けていいのだろうか?と。

弁 その後、留置所に行くが

林 「大変なことをしてしまった」と。

弁 美保さんのことはどう聞いた?

林 重体と聞いていた。回復すると信じていた。

弁 9月には拘置所へ行く。美保さんが亡くなったと聞く。そのときは?

林 信じられなかった。亡くなったことが受け入れられなかった。精神不安定になった。

弁 食事はした?

林 できませんでした

弁 歩けた?

林 取り乱して、医者へ連れて行かれ、注射をされた。安定剤も飲んだ。

弁護人(丸山) あなたの話を聞いていると、自己中心的だったり、自分勝手と思われないか?

林 思います

弁 どうしてそういう状況に陥った?

林 私の責任です。

弁 09年4月5日。林さんは「もう、いいよ!」と言って、店を出て行った。それまでは信頼関係があり、そのために呼んでくれていると思っていた。しかし、それ以後、関係が壊れるのが信じられなかった。美保さんをあきらめて、別の憩いの場を見つけようとは考えたことはなかった?

林 ありません

弁 美保さんとの関係を重視して、店に行きたいと思ったのですね?でも、美保さんとは別の世界で歩くことはできなかったのか?

林 わかりません

弁 冷静に考えると、別の選択もありましたよね?

林 選べなかった。

弁 4月5日まではうまくいっていたから?

林 はい

15:40 弁護側からの被告人質問が終わり。続いて、検察側からの質問。

(続く)