耳かき店店員殺害事件の、被告人質問続き。

弁護人(北村) 08年7月15日 秋葉原駅で美保さんに偶然に出会った。それが“待ち伏せ”と勘違いされ、お店に行かなくなりますね。でも、美保さんのブログを見て、行くようになりました。どうしてブログを見ていたのか?

被告人・林貢二 誤解されているのは不本意だった

弁 ブログには「ぴよ吉」とあったが、特定の人の名前が載せていいのか?

林 いいのかどうかはわからない

弁 見たときは誤解が解けると思った?

林 はい

弁 予約の電話はいつもどうしている?

林 開店30分前を過ぎてからしている

弁 もともと週2日行くようになったのは?

林 美保さんに「明日、空いてる?」と聞かれたから。

弁 金曜も行くようになったのは?平日も来てほしい、とのことだった。水曜日も早く帰れる日で、金曜日に。どうして金曜日?

林 水曜日に行くと、翌日の仕事に支障があるため。

弁 11月28日から、新宿東口店で朝5時まで行くようになりますね。23:00~4:30までのほとんどは寝ていたということですが、それでも「行こう」と?

林 嫌だとは思っていない。行きたくないとも思っていない

弁 クリスマスプレゼントを贈る習慣はあるのか?

林 ない

弁 誰にもあげていない?

林 記憶にはない。子どもの頃の行事としてはああるが。

弁 美保さんのリクエストは?

林 初めからWiiが欲しい、と言っていた。

弁 そのとき買ってきた?

林 はい

弁 元旦についてですが、実家に帰るという話をしたときには?

林 「新年の最初のお客さんになってほしい」と言われた。

弁 年末年始に9日間連続で行った後にも、1月6日も行っている。美保さんと一緒にいる中で、美保さんがリクエストしたものと違うものを買って来たことがあったが、そのときの美保さんは?

林 「これ、違う」と。

弁 食べなかったことはあった?

林 ありました

弁 美保さんの態度にどう感じた?

林 特に腹が立ちませんでした。思ったままを言うことは気を許している証拠

弁 喜ばしい?

林 そうです

弁護人(山本) 店外での食事に誘ったのは?

林 09年4月4日

弁 それまで誘わない?

林 そういう気持ちはない

弁 なぜ誘った?

林 なんの会話かは覚えていないが、1年2ヶ月くらい通っていたので、美保さんが「外の姿も見てみたいね」と言った。僕も言った。「終わったら、ご飯、食べにいこうか?」と誘った。

弁 いつになった?

林 土日ということになった

弁 同意か?

林 はい

弁 どこで?

林 神田にあるファミレス。「仕事が終わるのは22:00。秋葉原ではお店やってないんじゃない?」と言うと、美保さんが「ファーストフードは嫌だ。せめてファミレスがいい」と言い、美保さんがケータイで検索をした

弁 どこのファミレスに?

林 神田。帰り道の途中。「秋葉原だと他の人に見られてしまう」と美保さんが言っていた

弁 嫌がっていた?

林 いいえ

弁 店に内緒?

林 ダメなのはお互い知っている。だから秋葉原を避けた

弁 その日はいつ出る?

林 22:00ごろ

弁 そのとき、予約の確認をした?

林 いつものようにした。15:00から、だったと思う

弁 翌4月5日、当日は何時ごろに店に?

林 15:00ごろ

弁 美保さんは?

林 風邪をひいていて、熱があり、ぐったりしていた。

弁 話はした?

林 ほとんどしていない。2人とも無言が長かったが、少しはした。美保さんは壁によりかかっている状態。そこで、「そんなに体調が悪いなら、帰った方がいいよ」と言った。美保さんは「私は帰らない」「お店の売り上げのために帰らない」と。私は「今日一日は減るかもしれないが、もっと悪くなったら意味がない。早く帰ったほうがいい」と何度も言った。

弁 それは何時ごろ?

林 店に入ってから1~2時間くらい

弁 どう思った?

林 正直、いらだちました。体の心配をしたのに、そいれを聞かないで、しかも「売り上げのため」と繰り返すので。

弁 何分ごとに言った?

林 30分ぐらい経ってから、また見かねて言う。

弁 どうして林さんは帰らない?

林 私が途中で帰ってしまうと、客からの苦情ということになり、美保さんの立場が悪くなる。

弁 4月5日の終わったあと、食事の予定だったが?

林 確認しました。「今日は、そんな体でご飯に行けるの?」「今日はやめましょう」と。ケータイのメモ機能を使って確認した。美保さんも私のケータイを使った。

弁 なぜメモ機能で?

林 その日は、3番ブースでお店の人にいつもよりも聞こえるかもしれないと思ったから。

弁 どうして3番ブースだったのか?

林 先に来た接客嬢に取られていたから

弁 そういう姿を見て、どう思った?

林 ちょっと困った。会話が出来ない、と。何時間もいるのは辛いな、と。

弁 イラだった?

林 はい。イラだった。

弁 こぶしで壁を叩いた?

林 ひざかももで。

弁 いつごろ?

林 夜だった

弁 その日はいつまでいた?

林 22:00

弁 そのとき美保さんには何と?

林 「もういい。帰るよ!」と、捨て台詞を言うように

弁 次の予約は?

林 していません

弁 店長と話をした?

林 していません

弁 その日で最後になるとは?

林 思っていません

弁 どうやって仲直りをしようと?

林 メールで。

弁 美保さんから返事はあった?

林 ありません

弁 その後、どうした?

林 また、7日の深夜にメールをした。

弁 どんな内容?

林 5日の出来事について、「悪かった」とわびたもの。

弁 返事は?

林 翌朝になってきました。「もう無理です」だけ。

弁 どう思った?

林 意味がわからないので、同じ内容のものをメールを出した。「5日の最後、大人げなかった。また行くよ」と。

弁 返事は?

林 「もう無理です」だけ。

弁 そのあとは?

林 もう一度同じ内容のものを送った。すると、「もういいと言ったじゃない?これで最後にしてください」

弁 「もう店に来ないで」とは?

林 ありません

弁 どう思った?

林 意外でした。

弁 怒っているとは?

林 思いました。心当たりのあるのは最後の日(4月5日)のこと。体を気遣ったつもりだったが、違う意味にとらえたのか。捨て台詞のように言ったからか。

弁 怒っているとしたら、その理由は聞いた?

林 そのときは聞かない

弁 他の理由は考えなかった?

林 思い当たることはなかった。

弁 店外の食事に誘ったことが原因とは?

林 思わない

(続く)