(「初の「出会いカフェ」殺人の現場」の続き)

 2人目の女性のプロフィール上は「22歳」「フリーター」。黒のスーツっぽい服を着ていた。トークルームに入ると、意外にも、どこにでもいる女性、というよりは、コミュニケーション力もあり、モテそうな女性という印象だった。なぜ、こんなに普通の女性が「出会いカフェ」に来ているのかが、とても気になった。そのため、5分を経たないで、お茶に行くことを決める。

 ただ、このとき、私が5分も経たないで「お茶にいくことを決めた」のは、他にも理由がある。この日、一緒に潜入した女性が、利用者の男性と外出をすることになったからだ。そんな姿をみて、やや焦ってしまったのだ(笑)。

 さて、この「22歳」「フリーター」の女性とお茶に入ると、お互い、なぜ「出会いカフェ」に来たのかという話になった。彼女はどうやら2年ぶりに「カフェ」に来たのだという。この日は、転職活動がうまく行ったので気分が良い、との理由で久しぶりに、「行ってみよう!」と思ったらしい。

 なぜ、2年間来ていなかったのか。それは理由がある。以前、「カフェ」で知り合った女友達がいたというのが、その女友達からある日、電話がかかってきたことがあった。

 「助けて!殺される!」

 その一言だけで電話がキレてしまった.いったい、何があったのか。その後、メールのやりとりでどこのホテルにいるのかはわかったが、1人で行くのは怖い。「カフェ」で会った後ろめたさもあり、警察には連絡できない。そのため、「カフェ」で知り合った他の女友達と一緒に、そのホテルに向かった。

 ドアを開けると、まさに、電話をかけてきた女友達が首を絞められていた、というのだ。しかし、彼女たちが部屋に入って来たことで、首を締めていた手を外し、逃走した、という。

 このことがあってから、「カフェ」にくることはなくなっていた、という。しかし、そんな経験もしていたし、しかも、

 「ここですよね?事件があったの、って」

 というように、この「出会いカフェ」をきっかけに事件が起きたことも知っていながらも、この女性はやってきた。危ないとは思わないのか?

 「だって、私は、お茶しかいかないんです。私がカフェで知り合う女友達のほとんどはそうです。もちろん、ホテルに行く人もいるようで、やっぱり、カフェで知り合った友達に聞きました。男性の利用者もホテルに誘う人もいますが、私は断っています」

 この女性がホテルを断っても、お茶だけでも「交通費」(男性の利用者からもらうもの。名目上は、カフェまでわざわざ来てくれてありがとう、的な意味あいだ。実際には、その後のデート代としての心付けの意味合いがある)がもらえる理由はある。それは、他の女性にはない「普通さ」があり、一般女性もよりも、見た目も奇麗であることだ。

 「2年前に私がよく来ていたころは、私の指名でよく10人待ち、ってこともあったんです」

 「お茶だけなのに、(多額の「交通費」をもらった経験があり)おいしい思いもよくしました」

 そんな経験があったからこそ、ホテルに行かなくても、それなりのアルバイトとして成り立っているのだろう。

 ただ、こうした出会いは、いつも偶然の要素がある。今回の事件のように、殺人事件にまで発展するのは稀だが、小さなトラブルや、性犯罪(児童買春など)の当事者になる可能性は常にある。

$てっちゃんの生きづらさオンライン@Ameba